ソロギターでメロディーもハーモニーもリズムも完結するタイプのマイナーキーシャッフルの名曲です。
これが弾ければカッコいいです。中級者として認定されるかも。
アコースティックギターソロで完結する音楽を表現する場合,音楽の3要素(メロディー,ハーモニー,リズム)をどのように表現するか?これは永遠のテーマでもあります。
メロディーとハーモニーならアルペジオ的なソロで表現できますが,リズムを最初から最後まで流すとなるとソロギターには制約が出てくるわけなんですね。
(ー'`ー;) ウーン
これまでいろんな表現方法がありましたが,チェット・アトキンススタイルと呼ばれる「オルタネイト・ベース」というのは一つの確立されたスタイルではないかと思います。ラグタイム系のギターもこのパターンでリズムを表現しますよね。有名な曲はWindy and Warmとか。
それと同時に何小節かのパターンで,同じベースラインを繰り返すタイプの奏法があります。循環ベースというか,ダイアトニックベースというか,何といいましょうか。
例を挙げれば,Opus1310,Anji,などそうですよね。
これがまた,マイナーキーで,シャッフルの跳ねるリズムと相まって,ベースラインが繰り返されるとそれだけで,カッコいいのです。
前述のオーパス,アンジー,に並ぶ名曲として皆さんに紹介したいのが,岡崎倫典師匠の「シティ・オブ・トーキョー」です。
メトロポリス東京のことではなく,明治政府がハワイへの移民を乗せて送り出した船の名前だそうです。(でも聞いた多くの人は東京の夜の夜景が見えるようだといいます。)
これは長いことアルバムに収められずに,倫典ファンのみが知る名曲になっていましたが,ついにCDで聞けるようになりました。
それがプロムナードです。
どんな曲かと言いますと,こういう曲です。
私の演奏よりも本物は当然もっとすごい,張り詰めた感じがいいですよ。
(ノ°ο°)ノ オオオオ
楽譜はあるのでしょうかという質問が時々あります。あります。
わかりにくいのですが,ベイサイドリゾートよりも前にイサトさんと共著の楽譜集があるのです。
この楽譜の頃の演奏よりもプロムナードは時間が何年もたっていますので,楽譜とはわずかに違所もあります。でも,少しがんばれば音を探せると思いますので,トライしてみる価値はありますよ。
この楽譜は他にもイサトさんのもいい曲が入っていますね。
さて,私は倫典さんのライブを聞くといつも思うのですが,倫典さんは完全なソロの方が圧倒的に良いということなんです。
ベイサイドリゾートはアコギ中心で,アコースティックなリズムが入ったり,ピアノやバイオリンが脇役で入るという感じであくまでアコギソロがメインでした。
その後のアルバムはどうしても,コンピューター的な打ち込みのリズムが入るモノが何曲かあり,アコギソロの圧倒的なレンジや広がりが,他の音に圧縮されてしまい,どれくらいすごい演奏をしているのかがわからなくなってしまうのです。
例えるなら,本来はサシミで食べるような最高の鮮度の,北陸的に言うと「キトキト」の魚を,衣を付けて油であげて,中華風のごま油入りの野菜あんかけにするような感じで,えーっあの新鮮さが!もったい!ないという気がするのですね。伝わりますか?
♪~( ̄ε ̄;)
ライブで見ると,これが本当にソロギターなのかと思うような演奏なのですが,CDで聞くと,「あの感動はどこへ?」となるのです。
ぜひとも,倫典師匠にはこのシティオブトーキョーのような,全編ソロギターのアルバムを期待したいところですね。
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