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エッセイその5-2 コリングスとテイラー その2



ヤマハがテイラーの代理店になってから,一般の楽器屋ではなく,『テイラーショップ』と呼ばれるテイラーを何本もおいてあるような専門店だけで扱われるようになりました。


Taylor Guitars


東北では,仙台のヤマハショップのみです。


これは,試奏するもの結構大変です。

しかし,究極のピックアップかも知れないこのギターを試奏しないわけにはいきません。


ついに先日その機会を得ました。


横浜西口にある,イシバシ楽器がテイラーショップになっているのです。


家族旅行の合間ですから,東急ハンズに家族を待たせているので,持ち時間は30分のみです。私はまっすぐに,アコギフロアーに行き,アコギ担当者に言いました。


(・ω・。)キョロキョロ(。・ω・)


「テイラーのCE ESという新しいピックアップを試させてください。」

「514でいいですか。」と店員。

マホガニーモデルです。「いいですよ。」


ついに,今年の初めから待ちに待ったテイラーESを試す機会が訪れたのです。


o(^o^o)(o^o^)o ワクワク


肩の所につまみが3つ見えるでしょ。


ついにチューニングをして音を出します。生音からです。


♪じゃらーん。

ヽ(・_・;)ノ ドッヒャー


今までのテイラーと違います。 生音が良くなっています。高音に切れがありますし,音が前に出るような感じです。 低音もしまっていてこれは期待させます。



では,アンプ(AERのビンゴ)につないでみましょう。




(」゜ロ゜)」 ナント!! ナチュラルです。


これは確かに,今までのラインとは全く違います。これは感動的です。


どんなにいじってもピエゾくさい歪っぽい高音からは逃れられないと思っていましたが,ついにその可能性が見えてきました。


この音はまさにみんなが求めていた生音を拡大した音です。

o(@^◇^@)o



しかし,つまみをいじると,なんと,ノイズが出ます。 シングルコイルピックアップに乗るようなジリジリというノイズです。トーンをいじるとどんどん大きくなります。


これでは,どんなに音が良くても商品としては欠陥です。


店員に聞いてみます。

すると,店員は「私もおかしいと思って,メーカーに戻したら,これはこういう商品ですと,言われて戻ってきてしまったんですよ。 ノイズ気になりますよね。」


( ̄□ ̄|||)がーーん!


最高の音と思われた,テイラーESが欠陥商品なのか? なんだか,あきらめきれないような気持ちになります。


試奏を続けます。曲はトミーの『カントリーワイド』です。 アンプを通して弾いていますからフロア中に音が響きます。

1曲終わると金髪のカーリーヘアのケニーGのような白人の外国人が拍手してくれました。


すると,英語で話しかけてきたのです。

「(≧ロ≦) アイヤー 今年初めての英会話ですて。(新潟弁)


訳「これはトミーの曲かい?今の演奏はエクセレンスだよ。」


「サ,サンキュー」


彼は続けます。 「トミーはすごいよね。以前にオーストラリアで数千人のホールで彼はアコースティック一本ですばらしいエンターテインメントを魅せてくれたね。」


「兄のフィルとトミーがある楽器店でいきなり演奏を始めたのに出くわした事があるんだけど,グレイトだったよ。」 (たぶんこういうことを言ってたと思いますが,自信はありません。)


「ワオ」(私の英語は大変簡単です。)


「プレイヤーなんですか」


「イエース」


「私はインストラクターで演奏家ではないんですよ。」


「いやいやエクセレントな演奏だったよ。」 (彼はエクセレンスを連発してくれました。)


「秋田市に住んでいるんですよ。」


「へぇー。以前秋田のビューホテルで演奏した事があったね。2回ほど。」


「実は今日はこのテイラーを試奏するために来たんですけど,でも,このノイズが気になるんですよね。音は最高なんですけど。」


彼は大切なことを言いました。 「そのことはアメリカの guitar player という雑誌に書いていたよ。確か,最初のプロダクツには欠陥があってノイズが出るんだけど,セカンドプロダクツからは改善されたという話が載っていたよ。」


(ノ°ο°)ノ  オオオオ



何という出会いでしょう。

もし彼と出会っていなければ,私はみんなにテイラーは欠陥商品だったという話をして終わるでしょう。 (事実もう一本試した,814CE ESはもっとノイズが出て使えなかった。)



この外国人の彼のおかげで,重要なことを知る事が出来ました。 また,いつかテイラーESセカンド以降のものを試奏します。


☆⌒(*^∇゜)v ありがとう!ケニーG。(結局,名前を最後まで聞かなかった)


私があの時トミーを弾いていなかったら彼は,立ち止まらずに話しかけもしなかったと思うと,本当に出会いはおもしろいですね。



2003/9/24追記

ヤマハトレーディングへメールにてこの件を尋ねましたら,丁寧な回答が来ました。 最初のプロダクツはシングルコイルピックアップでどうしてもノイズがのるようでしたが,2003年3月以降の製品はハムバッキングに変更されてノイズの問題は解決されているとの事でした。



2008/5/13 2007年から弦アースを取っているのでかなりの程度ノイズは改善されているといいます。 しかし,マグネチックのコンタクトでハウリングを回避するために低音は結構カットされています。

その量をギター側で調整することはできません。この点ではテイラーは叩き系には向かないと思います。

また,オールマグネチックになりますので,全体にピックギターくさい,マグくさいという音色を感じることがあります。 生アコギの音を拡大するにはピエゾとマグのブレンドの方がリアルな場合もあります。

特に高音はピエゾの得意な部分で,低音はマグに受け持たせてやるのもいいと思います。 ニコピン&NEO-Dのサウンドでしっかり取り付けされれば,テイラーESを超えていると思っていますよ。 ボブ。(親しげです)




ビル・コリングスは最近インタビューの中で,ピックアップについて聞かれると,「私はいいギターを作ることにしか感心がないんだよ。だから,ユーザーの方で好きなピックアップをチョイスしてほしいな。」ということを言っていました。


確かに,どんなに人気が出ても年間1000本以下に本数を抑えて徹底的にギターそのものにこだわるコリングス。


アコースティックギターそのものを愛する人は必ずどの時代にもいると思いますので,コリングスも今後なくなることはないと思います。

コリングスの造りを考えると,きっと30年後にはビンテージとしての価値は他のギター以上に上がるのではないかとも思われます。


しかし,演奏者の立場から考えるとどうでしょう。


テイラーの言う,「演奏というものは常にアンプを通したサウンドに依ってきた。そしてそのアンプを通して出るサウンドはアコースティック・ギターの生音とはいつもかけ離れたものだった。」という事実。


この観点に立って誰も挑戦しなかった新たなピックアップを開発するという姿勢を持ったテイラーギター。


それとは対照的に,ビンテージマーチンと同じかそれ以上の音を新品でも出そうという,アコースティックに徹底的にこだわったコリングス。



あなたはどっちのメーカーの考えが好みでしょうか。

でも,きっとテイラーとコリングスはどちらも21世紀に生き残るギターメーカーではないかと思うのです。


それで,私も自分なりに目標があって,生徒を含めてアマチュアが出せる値段で生音に近いピックアップを作れないか?そして,それでみんなが人前で演奏できるようになって多くの人がギターで人を感動させるようになったらいいなというのが私の希望です。