ついに完成! ギターの調整に必需品のトラスロッドレンチ! 近年のマーチン,コリングス,ヘッドウェイ,ラリヴィー用
このレンチはすごいのですよ。皆様。
なので赤字でも皆さんに使ってほしいと思います。ぜひぜひ。
すでに使用された方の感想です。
ロッドレンチもありがとうございました。 000-42MQに使ってみたらぴったりでネックの反りが直りました。又D-35にも使用可能でした。先生がおっしゃる通りネックの反りが直ると音色が変わるのにはびっくりしました。今後も宜しくお願い致します。 -W
ギターの調整には間違いなく順番があります。
順番から言えば,1ネックアングル,2ロッド調整,3サドルの底面,それから4ナット溝ですね。
(」゜ロ゜)」 ナント!!
もしもこれが間違っていればどうなるか?
ネックが起き気味のマーチンのGEシリーズがあったとしましょう。
(すでにこういうのが何台か送られて来ていますが)
ネックが起きていて,弦高を下げるためにはサドルを削る必要が生じます。
でもGEのサドルは象牙です。
象牙のロングサドルを上から削ってしまいます。
表面上,弦高は合うのですが,音がおかしくなります。
高音弦の音が出なくなります。
(T_T) ウルウル
もしも,そのあとでネックリセットをするとサドルは削られてしまっていて,低すぎるので,本来の状態に戻った時にはサドルも交換しないといけなくなります。
象牙のロングサドル交換です。
値段も高いですし,環境的にももったいないです。象牙は貴重品ですぞう。
(ノ_<。)うっうっうっ
トラスロッドの調整の重要性があまり理解されていないように思います。
完全に反りがないまっすぐの時とほんのわずかに順反りの時とで音色が違いますね。
音量がかなり違いますね。
その前にもう一度トラスロッド調整の基本をおさらいしておきましょう。
14フレットジョイントのネックがもしも完全にまっすぐなら1フレットと14フレットを押さえて,7フレットを叩くとカチカチとは言わずくっつくはずです。
ここが0.1ミリくらいなら,ツッツという感じの音で,0.2ミリくらいならチッチという感じで,それ以上ならカチカチいうかもしれません。(かなり感覚的なので,個人差があるかも)
(ToT)>゛スミマセン
1フレットはカポで押さえてもいいですよ。
小指で14Fを押さえてます。
人差し指で7Fを叩いてみましょう。
チッチですね。
このロッド調整で箱鳴り感やテンションだけでなく,音量も高音と低音の音色のバランスも変わってきます。
ロッドを動かす角度を時間のように表現しますとわずか5分の違いで音がかなり変わるのです。
(ノ°ο°)ノ オオオオ
しかーし!
これほど重要なロッド調整なのに,簡単にはロッドが調整できない機種が存在するのでーす!
これはギターオタクな私からすればかなり大きな問題なのでーす!
例えば2008年以降のマーチンはどうでしょうか。
近年物のマーチンOOO-28GEです。
上が一般的な長いレンチ,下が今回私が特注したレンチ
この上の黒い一般的なレンチではロッドまで届きません。もし,これが届いたとしても短い方で回すことになります。
レンチの短い方で回すのはかなり大変で,手が痛くなります。ギターを弾く前に手を痛めては大変です。
ちょうど使いやすいサイズとハンドルの長さなのです。
もっと問題なのがコリングスのギターです。
私も長いことコリングスのギターを使いましたが,本当にシビアなギターでわずかなロッド調整でもかなり音が変わります。
ところが,このコリングスのロッドレンチの入口は14の付け根のところにあるのです。
ラリヴィーなどと同じ方法です。
そうすると,鶴首というか3段折れのレンチが必要になります。
この形がないとトップ裏のトーンバーを逃げて回せないのです。
コリングスに実際に使用しているところです。
しかも,私はオタクなので,さらにこのレンチにある可能性を求めました。
マグのピックアップを付けたままロッドレンチを調整したいのです。毎回マグを緩めて移動は大変です。
音も変わりますし。
この深さがポイントなのです。ラリヴィーのメーカーが最初に付けてくるロッドレンチではマグにぶつかってだめなのです。
※写真は見やすくするために弦を外しております。
これはラリヴィーですが,マグが付いていてもOKですね。
このようにマグが付いていても作業できるサイズをテストして作ったのです。
O(≧∇≦)O イエイ!!
このレンチを持っていないショップはコリングスをどうやって調整しているかというと実は大変です。
毎回弦をすべて緩めて,手を入れて短いレンチでカンで調整して,また弦を張って様子を見るというのです。
実際問題こんな方法でベストな位置を探り出すことはできないと思います。
弦のテンションがかかった状態でレンチをいじってはじめて本来の音の状態がチェックできるわけですので。
なので,オタク的に考えるとロッドレンチに関してはギブソン,テイラーのようなヘッド側のスタイルが正しい設計のように思います。
サウンドホール側はいろいろと制約が出てきますね。
なので,typeBはもちろんこのギブソンスタイルに習っております。
このタイプのレンチに注意が必要なことがあります。この写真をご覧ください。
大きさが2種類あります。
最近のコリングスはこの先端のサイズが4ミリです。ラリヴィーも4ミリです。
でも以前に私が持っていたコリングスは4.8ミリくらいのインチサイズでした。
おそらく 3/16インチというサイズだと思います。
これは製造年代によっての違いだと思いますので,ご注文の際は最初に弦を外してご自身のギターは,ロッドレンチが4ミリか4.8ミリかをチェックしてくださいますか。
この度私は4種類作ってもらったのです。
マーチン用ロングタイプ, ラリヴィー,コリングス用3段折れ 4ミリ,4.8ミリ タイプ
そして,世の中に代用品がないと思われるのがこれです。
ヘッドウェイ用のレンチです。
ヘッドウェイのトラスロッドは非常に特殊です。8ミリの六角のネジタイプになっています。
一度,百瀬さんにその理由を尋ねたところ昔作ったギターがそうだったので,アコギ復活後もそのままになっていたというので,特に大きな理由がないのです。
これほど不便なものはありません。
(* ̄m ̄) ププッ
メーカーがギターに付けてくる小さいレンチは,これもコリングスと同じで弦を緩めてカンで合わせなさいというタイプですが,正直微調整はできません。
弦を張った状態で,トップにテンションがかかった状態でチェックする必要があるのです。
しかーも!このヘッドウェイ用もマグを外さずにできるように長さを調整してあります。
(≧∇≦)b OK!
仕上がりも割にいいです。手作りよりも工場製という感じがします。
でもここに至るまでの試作品ではたくさん失敗しました。
これは試作品でしたが,ヘッドウェイ用は一回使ったら首が取れました。溶接はだめでした。
他のラリヴィー,コリングス用も溶接してつないであったので,使えるのですが,見た目がいまいちでした。
ロッドレンチの調整がなぜ重要なのか,動画で見てみましょう。
2月のオタクセミナーでは実際にやって見せましたので,皆様その理由がを理解してくださったと思います。
動画を見る前にロッド調整でネックの反りが変わると音がどう変わるのか,少しおさらいしておきましょう。
ラジャ!( ̄- ̄)ゞ
ネックの順反りが大きくなると
ロッドを緩めてネックの順反りが大きくなると音は箱鳴りが強くなります。箱が鳴るならいいことと思うかもしれませんが,高音が出なくなります。なので,音のバランスが悪い箱鳴りが強い感じになるのです。テンションはやや下がります。
ネックの順反りが小さくなると
ネックの順反りがかなり小さい,ネックがまっすぐに近い状態が理想だと思います。
順反りが大きい時よりも弦鳴り感が強くなりますが,高音弦の音が出るのでバランスが良くなります。テンションは少し上がります。何よりも残響音が長くなり,リバーブ感がもっとも気持ちいい感じになります。
ネックが逆反りになると
ネックに反りがない状態。完全なストレートはまだいいのですが,逆反りに近づくと弦鳴りになり,箱鳴りが足りなくなり音量も小さくなり,力ない感じがします。でもテンションは軽くなります。プレーン弦のテンションが特に軽く感じます。
この違いはもちろんロッドを動かすことで弦高が変化して,相対的にサドルの高さが変わることも大きな関係があります。でも弦の支点である,ナットの位置がトップ面に対して変化することも弦振動に影響があると思います。
なので,調整の順番としては間違いなく,1ネックアングル,2サドル底面,3ロッド調整 とすべきだと思います。
そのあと,サドルの弦高調整,それからナットの溝調整,ロッドの微調整という風になりますが,ナットの溝がおかしい場合判断を誤るので,3ロッド調整の前に仮にナット溝を治しておくこともあります。
ネックの反りはギターの他の状態が正しければ0.1ミリくらいのチッチとかツッツくらいの位置になります。
カチカチまで行くと反り過ぎかなと思います。
なぜこういう状態になっているギターがあるかというと,多くの場合サドルの底面が出ていないために低音不足になります。それで箱鳴り感を上げるために反らせてバランスしていることもあります。
また,サドルの底面がぴたりと設置してないため高音弦が細い音になってしまい,箱鳴り感をアップさせないと物足りない状態もあります。
反対の例もあります。
ナットでテンションを上げ過ぎて,指先のテンションがきついためにロッドを逆反りに近い状態のストレートに持っていきテンションを逃がして何とかバランスを保っている状態です。
これは深いところからの箱鳴りが出ませんので,ドレッドなのにパラパラとした感じの音にになってしまいます。
マーチンが起きてきて仕方なくS字ネックにするとこの状態になります。
先日も浜松市内のショッピングセンター内の楽器店にある,ギブソンJ-45を2本比較しました。
ネックが起きてS字になっている30万クラスのアディロントップのJ-45トゥルービンテージとノーマルのネックアングルも反りもちょうどいいJ-45です。
音の違いは明らかで,私だけでなく若い女の子の店員さんもノーマルJ-45の音がいいと言いました。
もちろん店員さんにこの原因を理解することを期待することはかなり無理な話だと思います。
ある場合には,アコギショップの店員も,ある場合には製作家もこの原因を理解していないこともありますので。
実際にやってみた,オタクなあなただけが知っているという方が満足度が高いですよね。
ナットサドルジグとこのロッドレンチ調整はギターの必需品ですね。
(ノ^_^) ハイ!
もう一つの理由は日本の気候ですね。
例えば梅雨時に東海地方において蒸し暑さの中調整されたギターを北海道に送るとします。
北海道と北東北には梅雨は事実上ありません。関東の梅雨とは全く別物と言えます。
まったく気温も湿度も違う環境に送るとロッド位置がずれて,調整した時には良い音だったのに到着するとポイントがずれていて悲しい音になっていることがあります。
関西からツアーで東北にギタープロのギターが逆反ってペシャペシャした音で仕方なくライブをした人もいます。
これの反対の東北で調整して関西に送ると少し反るという例もあります。
さらに,ネックが安定するまで少し時間がかかるということもあります。
例えば,きょう完璧に鳴っているとします。弦高は適切,鳴りもOK,弾きやすさ最高。でも翌週になったら少しだけロッド位置が変わってしまうことがあります。それは,木材ですのでもっとも安定するところに落ち着くまでちょっとだけ時間がかかるのです。
チューニングする時に1回でできないのと似ていて,2回目,3回目でぴたり合うのと一緒ですね。
というわけで,いずれも環境が変わっても数回調整してベストに持っていけばあとは安定するので面倒なものではありませんよ。
でも,ベストなロッド位置は環境で変化するのでロッド調整はギターの必需品なのです。
もっとも手軽かつ重要なギターの調整道具なのです。
では実際にロッド調整をして,音がどのように変化するかを見てみましょう。
最初にわざと順反りが大きな状態にしてあります。いわゆるカチカチの状態です。
カチカチでは箱鳴りはおおきいのですが,低音はブンブンとうるさく,高音弦の鳴りが引っ込んでいますね。
低音に締りがないのも特徴ですね。
そこから,少しずつ反りをなくして行きます。チッチまで持っていきます。
3回目の時に高音の切れ味と音量がアップして,残響が長くなっているのがわかるでしょうか。
音そのものにテンション感があって,張りがありますよね。
ネックはまっすぐに近い順反りですね。完全真っ直ぐだと逆にプレーン弦が弱くなりやすいです。
ロッド調整は必ず締める方向で調整を止めます。
これはペグのギヤのかみ合わせにごくわずかな隙間が生じるので,チューニングも必ず音が上がる方向でチューニングしていますよね。行き過ぎたらまた戻して,必ず上げる方向でチューニングするのと一緒の原理でロッド調整も必ず締める方向で調整します。
マーチン用ロングタイプ 2008年以降のマーチンユーザーは特におすすめですね。
コリングス,ラリヴィー用 4ミリタイプと4.8ミリ
一般的には4ミリが多いかな。同じメーカーでも時代によって4.8ミリのもあります。 おそらく他にもカナダ系のメーカーや他のメーカーも採用する方法です。
ヘッドウェイ用ロングタイプ
いずれも100個単位なら金型を作って安くできると言われたのですが,そんな勇気はありませんでしたので,いずれも数量に限界があります。
なくなれば次の入荷は未定なので,ぜひお早めにどうぞ。
一律 3000円 送料1回 510円
自分の車を最低限メンテナンスするようにギターもネック状態は自分でチェックするのはどうでしょうか。
ぜひ,何も交換しない調整の第一歩,ロッド調整はいかがでしょうか。
ヘッドウェイ,コリングス,2008年以降のマーチンユーザー,ラリヴィーでマグ付きのユーザーには特におすすめですね。
O(≧∇≦)O イエイ!!
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