日本製と海外製ギターを弾き比べる その3 日米ギター対決のテイラーとギブソンを弾いてみます。同じ条件で録音した音を聴いてみましょう。この対決の結末はどうなるのでしょう。 ひとつの提案をいたしますよ。
日本製のギターも並べて弾いてみると特徴があるように思います。
では,アメリカ製ギターと行きますがアメリカの20世紀の100年間はマーチンとギブソンの2大体制でした。
それが,70年代からリペアマンとして活動を始めて,次第にメーカーとして有名になって行き,ついには2004年ごろだったと思いますが,アメリカではNo1ギターになったテイラーがあります。
そのマーチン,ギブソン,テイラーが3大ギターメーカーですね。
ラジャ!( ̄- ̄)ゞ
マーチンがいいのは分かっていますね。
それで,今回は割りと高い方ではない日本製のギターと比較できるような価格帯のテイラー2本とギブソンを選んでみました。
テイラーはネックのアングルを調整してからナット,サドルを調整してあります。
では, テイラーDN3 スプルーストップとサペリサイドバックです。
テイラーのドレッドですが,最初からピックアップはなしでアコギなのです。
ピックガードもありません。フィンガーでもOK ということでしょう。 テイラーのピックガードで透明なものはオプションでも取れると思います。
普通な感じで特別なオーラは何一つ感じません。 でも,バインディングが白ではなくアイボリーな感じの色でまとめてあり,それがよりギターの色合いを調和させているように思います。 この辺にセンスを感じますね。
ヘッドも普通に300シリーズという感じですね。
これがデザイン的にも強度を高めることにも成功したと言われるスカーフジョイントですね。
サイドバックもサペリです。私はサペリのレスポンスは割りに好きです。
一般には値段が安いイメージがあるかもしれませんが,ギターの素材としては悪くないと思います。
もちろんローズより音も軽い感じですが,このキャラクターとしていいと思います。
では,ネックが正常なテイラーの近年物の音を聴いてみましょう。
弦高は12Fで6弦が2.4ミリ,1弦が1.6ミリくらいだと思います。
非常に弾きやすいです。フィンガーでもストロークでもいい音です。
実音と箱鳴りの混じり具合がとてもいいですね。
特にストロークなんかすると,気持ちの良い音が広がりますね。
私には音楽が感じられます。
d(>_< )GOOD!ベリーね!
なんとも説明できないのですが,いい音というよりも弾いているものが音楽として出てくるように思います。
心地良いですね。
ソロでも,伴奏でも,リードでもOKですね。
もちろんドレッドでソロを弾くと少し低音が強調された感じになることもあるので曲を選べばソロでも使えますね。
最近自分が弦間が少し広め57ミリのギターを弾いていることもあり,たまにブリッジの弦間が狭いギターを弾くとかなり弾きにくいと思うことがあります。
難しくないアルペジオの伴奏などはいいのですが,ソロギターで右手のコントロールを必要とする曲を弾く場合に弦間が狭いとやはりミスタッチが出やすいです。
私の場合は52ミリ以下だと狭いように感じられます。
でもこのテイラーはその点ドレッドですが,フィンガーで弾いてもとても楽です。
計ってみると 55.5ミリ あります。
マルチに使いたい場合は,この数字が意外に重要な部分だったりしますね。
ヤマハのFGなどは51ミリ以下だったかもしれません。
これでソロを弾くとさらに上達するかも?でもちょっと苦しいかも?
ちなみに一般のOMギターはここが56ミリくらいになると思います。
もちろんナット幅とのバランスがあるので,ナット幅があればブリッジピン間も少し広がりますよね。
でもどんなギターでも弾きこなせれば問題ありませんよ。
次もテイラーです。
テイラー314の 10年物です。
テイラーを代表するボディデザインですね。
NTネックが99年からなので,これがNTでは最も古い時期になります。
テイラーも年数が経ってくると枯れた感じのレスポンスがさらに良くなった音になります。
1弦を弾いて止める音のリバーブ感でそれが分かると思います。
ドレッドのテイラーと14ボディというオーディトリアムタイプと比べると容積はあまり変わらないと言われますが,音はかなり違います。
ソロギターを弾くとメロディーとベースのバランスなどが良くて,14のボディはソロギターに向いていますね。
もちろんストロークでも低音が出ますので,伴奏もOKで,リードもOKです。
それで,バーサイタル(万能)なギターと良く言われます。
OMよりも厚みもあり,おしりも大きいです。でもウエストのくびれのおかげで女性が持っても大丈夫だと思います。
フィンガージョイントの時代ですね。でも接着面積が多くなるのでこれはこれで良い面もあるように思いました。
サペリの木目ですね。
では音を聴いてみましょう。
後半は弾いていて楽しいので,つい長く弾いてしまいました。
指で弾いた時に音に包まれるような広がりがあります。
レスポンスが上がりバックも鳴るようになっていて立体的に音が広がる感じがします。
1弦のテストでもそれが分かると思います。
年数の経過で高音の抜けが良くなっていると思います。
これまた気持ちのいい音です。
さすがにドレッドほど低音は出ませんね。その分メロディーは前に出てくるようになりますね。
いろんな方にこの音の印象を聴いてみると,ギターの経験値が長い人ほどこういうこなれた音を良いと評価する傾向があるようですね。
(⌒^⌒)b なるほど
次はいよいよ本家ギブソンです。
J45 Rosewood です。
今回の実験の日本製のギターはほとんどがギブソンのコピーモデルですね。
では,本家の音はどうなのでしょうか。
もちろんネックコンディションは正常な個体です。
J45もローズになると指板もエボニーにグレードアップしています。
ペグもゴールドにグレードアップですね。
指板がエボニー。
ブリッジもエボニーです。
バックはローズウッドですね。
通常のJ45と比較するとスケールは同じ628なのですが,音の密度は違いますね。
普通のJ45のマホの甘さと少し違ってローズの方が低音のしまりと,高音の切れ味がありますね。
これはスタンダードチューンのソロギターもいける音だと思います。
(≧∇≦)b OK!
ストロークの音の広がり方はまるでバンドのような厚みのある音に聞こえます。
普通のストロークなのにこの音が出るのですね。
(≧ω≦)bグッ
この音の魅力はなんとも言えませんね。
人を惹きつけます。
でも,これまで見てきたギブソンはコンディションは,ネックが起きたり,折れたり,トップが膨らんだり,本来のギブソンサウンドが出ないものも少なくありませんでした。
店頭展示状態ですでにおかしな状態になっているギブソンカスタムもありました。
しかーし!マーチンはもちろん,ギブソンも,テイラーも正常な状態であればそれぞれ魅力的な音が出るということですね。
テイラーも日本という湿度の高い国で,24時間空調の環境に置かれずに過ごすのですから最初の1,2年で少し調整が必要なのもわかります。
それをしっかり直せばこれまた本来の音が出るわけです。
正常はギブソンはこれまたいいギターなのです。
今回の日米対決実験の感想です。
例えから入りますが。
私はiPodtouchを使っていますが,これは面白く非常に大きな可能性を持っていると思います。
これを作り出せる発想はこれまたすごいなと思います。
日本製はほとんど説明書が必要ですが,iPodは全くなしでも,初めて使う日から感覚的に理解できるのです。
全く何もないところからこの新しい商品のイメージを作り上げるというアップル社の設計の力は大きいと思うことがあります。
でも数年前のiPodは全体の7割のパーツが日本製だと言われていました。
実際にiPodのイメージの重要な部分である,裏側のつるつるのステンレスは新潟県の金属の街,燕三条市の磨き屋シンジケートの技術です。
これが世界のiPodに採用されているわけです。
日本の技術の高さは世界から認められ信頼されていますね。
パーツの多くは日本製で,設計はアメリカで,組み上げは中国でというスタイルでiPodは製造されていますね。
今回のギターの比較もこれに似ている部分があると思いました。
日本製のギターは非常に緻密な技術でしっかりと作られていると思います。
価格からしたら海外製のカスタムのようなレベルの部分もあると思います。
ヘッドウェイのネックもすごいです。丈夫で長持ちの家具のようです。
まさに技術の日本という気がします。
でも,サウンドのデザインというか,ストロークをしてみて,アルペジオを弾いてみて,出てくるのが音なのか?,音楽なのか?
ここにアメリカンギターのサウンドデザインというか設計のすごさがあるように思います。
つまり,日本製のギターは音楽というより良い音のギターを目指しているような印象があり,アメリカンギターは良い音よりも良い音楽が演奏できる楽器を目指しているように思います。
アメリカのギターは音楽の歴史の中から生まれて来たように思えますね。
ブルーグラス,フォーク,ロックどの時代にもアコースティックギターがいつも演奏されてきました。
我が家の1935年のギブソンL-00を見て思うのですが,日本ではまだ戦前の昭和一桁の時代にこのギターを作って演奏を楽しむ文化がすでにあったということがすごいのですね。
そういう音楽の歴史の中から作られたギターの音の設計はやはりすばらしいものがあります。
設計はアメリカンギター という気がします。
音の設計がすばらしいことは認めましょう。でも,実際はそれをキープする技術が足りないとも言えるのではないでしょうか。
というよりも考え方の違いで「修理しながら使って行きましょうよ。」というスタイルなのかもしれません。
いずれも日本にあるアメリカンギターの多くが本来設計された状態を維持できていないのが事実という気がします。
(・_☆) キラーン
そうなると結論は日本とアメリカのコラボがいいのではないでしょうか。
日本に来て少し狂った部分をただ修理するのではなく,日本の技術でさらに良くしようというわけです。
具体的に言うと,マーチンもギブソンも日本の技術でネックをリセットし直すのです。
もちろん,ネックアイロンの調整も可能ですが,アイロンで指板を少し引っ張る形になると,ギブソンは特に塗装がデリケートなので指板とネック材の間のストレスで塗装が割れてくる場合があります。
それで,値段が高いギターなら思い切ってネックリセットしてしまうのはどうでしょうか。
それはまさにアメリカの設計と日本の技術のコラボだと思うんです。
テイラーもネックアングルを今一度調整しなおして緩んだボルトもしっかりと日本の技術で再調整し直すわけです。
これこそまさに日米の技術と設計のコラボレーションですね。
これで本来のアメリカンギターの音が日本でも出るのではないでしょうか。
(⌒^⌒)b なるほど
この日米のコラボ形式。いいかもしれません。
ダブテイルでもボルトでもネックリセットをお受けいたします。
テイラーのアングル調整もOKです。
また,この上記の実験に使った調整済みのギターも販売いたしますのでお値段を以下からお問い合わせくださいね。
非常に弾きやすくいい音が出ます。
私のギターは日米のコラボなので,いい音なんです。
というのはどうでしょう。
O(≧∇≦)O イエイ!!
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