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Martin OOO-21 1950年代


MartinOOOのハカランダはひとつの理想形かもしれません。 いい音と思える時にはレシピがあると思います。 Martinのハカランダのビンテージ,OOO-21ですね。 ビンテージを買うときのこだわるポイントも書いてみました。



ドレッドのボディの厚みにサイドバックがローズウッドだと少しレスポンスが遅いかなという感じる事があります。


最近のD-28などを弾いてみても,ドレッドにローズウッドの重めの素材だと時々モッタリと感じることがあります。


そうなると,MartinドレッドではかえってD-18VとかD-18GEなどの,マホガニーの方がレスポンスが良くて,弾いていて気持ちが良かったりします。

リミテッドですが,Martinドレッドでメイプルを弾いたことがありますが,とてもいいバランスでした。 なぜレギュラー化しないのかと思えるほどいい音でした。


確かにいいと思えるギターには,レシピがあるように思います。

(ノ^_^) ハイ!


Martin OOO-28ECは弾いてみるといい音と感じる人がかなり多いようです。 ギター教室で何かのギターと対決する実験をしてもOOO-28ECの音を良いとする人が沢山います。


これはローズウッドの重さをOOO(トリプルオー)の薄いボディでレスポンスを高めたことが関係していると思います。


Martin系の設計でサイドバックがローズウッドの場合は,OMとかOOOの薄いボディの方がいい音に感じられます。

OMだとテンションがきついので,弦高を下げたくなります。

でもOOOだと,それほど弦高をぎりぎりにしなくても使えるのです。 そのときのトルク感というか,弦高がある方が音量とか音色のバランスもいいですね。

(ノ^_^) ハイ!



私のライブ用はコリングスOM-2Hですが,ローズウッドの重さと薄いOMボディでいいバランスになっています。


ちなみにOMとOOOは同じボディなのですが,弦長が違います。OMはドレッドと同じで,OOOは少し短いスケールです。 同じ音にチューニングすれば,弦長が短い方がテンションが軽くなります。

これはメリットでもありますね。



素材についても考えてみましょう。

よく考えてみるとMartinトリプルオーの設計はもっと昔にあった訳です。

OMの14フレットとかOOOの14Fは1930年代のいわゆるゴールデンエラ(黄金時代)にあったわけです。

(⌒^⌒)b なるほど


Martinの場合,その時代に選ばれた素材はアディロンダックスプルースにハカランダですね。 同じ時代に,Martinはアディロン&マホガニーも作っていました。


ギブソンは最初から,アディロンダックスプルースにマホガニーの組み合わせがメインだったでしょう。

その後,時代ととも材が不足して,アディロンがシトカスプルースに代わり,ハカランダがローズに代わりました。


どっちも大きな変化だったのですが,ハカランダという素材はやはり,現在のように値段が高騰しても欲しいと思う人が,沢山いるという現状から理解できるように,ギターには理想的な素材と思えます。


私もハカランダのギターを弾くとやはり素材としては素晴らしいと思います。

d(>_< )GOOD!ベリーね!


エボニーは重くて硬い素材ですね。


でもハカランダは軽くて硬いという素材です。

これは稀にみる特性ではないかと思われます。 そして,コツコツと叩いてみると金属的な高音質な響きがあります。

ローズの深みとマホガニーのレスポンスを合わせ持っているという感じもありますが,Martinに使った場合はバランス的にそれ以上の価値があるかもしれません。


つまり,Martinの場合は本来のハカランダという素材で設計されていたのを,ワシントン条約などの影響でローズに切り替えて現在に至ると思いますが,MartinはドレッドもOMも基本設計はハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)だったという気がするのです。


トップの材料が,アディロンからシトカも大きな変化だったことは事実なのですが,それよりもローズとハカランダの方が音に与える影響はMartinの場合は大きいように思えるんですね。



もちろん,近年設計された手工品などはそれぞれの素材の持ち味を生かして新たな設計がなされていて,必ずしもハカランダが最高ではなく,ローズでもレスポンスがいいものも存在します。

マホでもメイプルでもウォルナットでも素材を生かした設計をする現代の製作家のギターは確かに存在すると思います。 またドレッドのボディ形状でもフィンガーピッキングが向けの高音が出るように設計されているものもあります。


Martinドレッドの設計とはかなり異なるギターが存在しています。

しかし,昔ながらのMartinの基本設計はすでに完成しているように思えるのです。


ここが,最近の手工品との違いだと思います。


MartinのOMもいいのですが,スケールが若干短いOOOの方がスタンダードチューニングを中心に考えるとテンション感も日本人にはちょうど良く弾きやすい気がします。

OMの場合はテンションを下げるような調整をしたりする事もありますが,OOOは弦高を下げすぎなくても,テンション感がちょうどいいと思います。

というわけで,MartinのOOOハカランダは,とても音のバランスが良く感じられるのです。

世界的な大ヒットとなったクラプトンのアンプラグドで彼が弾いているギターはOOO-42の30年代ですね。 もちろんハカランダです。


ちなみに1930年代のOOO-42は800万円以上します。

「(≧ロ≦) アイヤー



世界中を魅了した音色はビンテージのOOOのハカランダなのです。

(1)ビンテージ, (2)OOO, (3)ハカランダ



この3要素を満たすギターがあるでしょうか。

(・_☆) キラーン



Martin OOO-21 1950年代前半です。



これを選ぶのにはいくつかの理由があります。

OOOのハカランダで,12Fジョイントのタイプになるととたんにネック幅が広くなります。 47.6ミリというものも結構あります。

そうなると私の手のサイズでは苦しいのです。

44.5ミリでも,3角ネックだときつい場合があるくらいですので。

このOOO-21は43ミリ弱のナット幅です。


さらに値段です。

OOO-28のビンテージはすでにかなりいい値段ですね。

1950年代でも150万以上します。 1940年代なら250万から350万くらいでしょうか。


そこまで行かずにマーチンOOOのハカランダサウンドはないでしょうか。


探してみると,OOO-21というのがあります。 サイドバックはハカランダで,さらに指板もブリッジもハカランダです。

当時は高級な28はエボニーで,18とか21クラスはローズになりました。

が,その時代のローズはブラジリアン・ローズウッドつまりハカランダだったのです。

(」゜ロ゜)」 ナント!!



今から考えると非常に贅沢な話ですが,サイドバックだけではなく,指板もブリッジもハカランダを使っているのです。

これによりボディは非常に軽くて,現代の手工家がわざとブリッジのレスポンスを考えてハカランダにしたりすることがありますが,最初からOOO-21はブリッジもハカランダだったのです。

ヘッドの角が丸く感じるのが当時の特徴でしょうか。




裏の板も柾目に近いようなハカランダです。




上のほうだけ見るとローズかと思ってしまうくらい柾目に近いですね。



柾目に取っていても,木目がゆれる感じがブラジリアンですね。




サイドも柾目チックですね。



ちなみにケースも非常に渋い感じです。 年季が入っていますね。


もちろん,ビンテージだと何でもいいわけではありませんね。


やはり,フィンガーピッカーはネックコンディションにこだわりたいですね。 どれくらいきれいにリセットされているか,その適正な弦高に調整されているかなどをチェックします。



このネックのジョイントのいわゆる 「への字」 が分かりますでしょうか。


私はここにこだわりたいのです。


14Fのジョイント以降がなだらかに下がっているようにジョイントされていると,ネックがへの字みたいですよね。

ここが 「くの字」 だとやはりだめですね。 どうしても音色的にも,テンション的にも不自然な感じがしてしまうのです。


ここのジョイントが音に与える影響を感じるかどうかですね。


メーカーそのものがこの重要性を理解できていない事が沢山あるのですから,ショップレベルでは当然こだわるところとそこまで行かないところと様々あるのが現状ですね。

ヽd´ι`bノ Oh・・・


もしもネックが起きているビンテージを買う場合は,ネックリセットにかかる費用,指板修正,ナット,サドル,フレットなどなどをすべて考慮して割りに合うギターかどうかを考える必要があります。


この固体は非常にきれいなバランスで鳴ります。


いわゆる音が遠くに届く遠鳴りするギターです。

実は2009年6月の秋田での岸部ライブでは生音コーナーを設けました。

このMartinを岸部さんが弾いて,マイクもなしです。 完全な生音でやるのです。



いつものウォーターロードとネック幅,カッタウェイ,弦間などのフィーリングが違いますので,リハの段階でどの曲が弾けるかを確かめています。



本番は全くのマイクなしで,約50人の聴衆に音がしっかりと届いたのです。


それまで,ラインで深いリバーブの音を聞いていましたので,最初は少し音量が物足りないかと感じた人もいたようですが,すぐに音楽に引き込まれてしまいました。


当日は少し雨だったので,「雨降る窓辺で」を演奏してくださいましたが,いつまでも聴いていたいと感じる素晴らしい音色でした。

生音コーナーが最高と感じたのは私だけかと思っていましたが,終わってからいろんな人に何が一番良かったかを尋ねたら,「生音コーナー」と答えた人がかなりの人数おられました。


O(≧∇≦)O イエイ!!


やはり,みなアコギの生音に魅力を感じているのですね。



それにしても,慣れていないギターで,完全な生音でも聞く人をノックアウトする岸部さんの演奏は素晴らしいの一言ですね。


テンションはきつくなく,私の短い指でも弾ける43ミリ以下のナット幅というMartinOOOのハカランダ。

これは恐らく今後値段が高騰するような気がします。 100万の大台に乗る日も遠くないかもしれませんね。


エボニーの下のモデルだから,指板もブリッジもブラジリアン・ローズを使っていた時代があるというのがまたすごい話ですね。

それでも,塗装が弱いというのはMartinビンテージでは仕方がないところですね。

でも私は音が良ければいいのです。

♪ ポロローン。

(T_T) ウルウル


とても気持ちいい音色です。


MartinOOOのハカランダ。

低音の量感も,高音の切れ味も同時に存在してます。

これはひとつの理想かも。

(≧∇≦)b なるほどっ!



PS  いいギターを何本も持っているキャリアのある生徒さんが,先日御茶ノ水の楽器店を回るというので,ぜひ神田の○ー○ーズにあるMartinのOOO-28ハカランダを弾いてみるように勧めました。


彼はその日沢山の手工品ギターを弾き,ビンテージ物もいろいろ弾いたのですが,最後に最も欲しいと思ったのは・・・

やはりそのMartinOOOのハカランダだったのです。

ワオ w(°o°;)w


そのギターは,すでに12,3年経過しておりビンテージまでは行きませんが,こなれたMartinの音がしています。 何よりもネックコンディションがぴたりと調整されていて,ハカランダの箱なりとレスポンスを感じられて素晴らしいのです。


90年代Martinでネックが正常ならロッド調整が可能になりますし,塗装がべたつく心配もありません。 実際にライブなどで使うことを考えるとこの方がずっと現実的ですね。

結局,もっと値段の高い手工品のギターを沢山弾いた後でも,MartinOOOハカランダでネックが正常なものなら,そのサウンドはかなり魅力があるのです。


恐らくまだそのギターはあると思いますので,東京に行ける人はぜひチェックしてみてください。 (お店が分からない人はメールください)

ラジャ!( ̄- ̄)ゞ


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