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エッセイその14 ギブソンサウンドはなぜ愛されるのか

更新日:2019年3月18日


ニコアースをギブソンのアドバンスドジャンボに付けました。 ギブソンサウンドをラインで出せるでしょうか。 秋田のギタリスト本間君とテストです。



ギブソンの魅力はなんと言ってもその音色にあります。

ギター的にはおかしいと思える点もあったりしますし,作りがいい加減だなーと思うところは良くあります。

定価が40万もするギターで瞬間接着剤がナットからはみ出して黒い塗装が白くなっていても 「音が良ければOKベイベー」 みたいな感じがしますよね。


実際,気になる人は気になります。


(≧▼≦;) アチャー



でも,あの独特のドンシャリ感は唯一無二の物で,他のギターでは得られません。


なんと言っても,ストロークすると分かりますが,テンションが緩い音がするんです。 弦長が少し短いですので。

それが,良く言われるマーチンの低音はピアノのようだ,ギブソンの低音はベースのようだということになるんだと思います。


(⌒^⌒)b なるほど



それで,ギブソンでストロークをするとバンドのように聞こえるんです。 ベースのような低音にシャリッと来る高音がドラムのハイハットのようですね。

そして,箱鳴りがまたすごいんです。暴れるくらい鳴るんですね。 スキャロップバリバリで,甘く広がる倍音はとても心地いいですね。


O(≧∇≦)O イエイ!!


なんだかんだ言って私もギブソンが好きなのです。


でも,ギブソンのほとんどは弾いていくと新品の時のコンディションを保てなくなります。 おかしいというか,もしかして,それは想定内なのかとさえ最近は思えて来ました。

かなりのギブソンがネック起き現象になります。特にテンションの強い6弦側が起きる現象が見られます。

逆に起きていない正常なものを探すのが大変なくらいです。


これにはいくつか理由があると思います。


作りが荒いということもありますが,ギブソンユーザーがロック系の場合はエレキ弾きだったりします。

そうなると,アコギの管理はそれほど詳しくなくて弦は張りっぱなし,ゴムのギタースタンドにおきっぱなしでネックが塗装負けということも多々あると思います。


だからメーカーのせいだけではないと思います。


札幌のとある楽器店にある高級ギブソンは店頭にある時点ですごいネック起きでした。50万もするのに。


あれは直して売るのか,知らない人が買うのを待つのか?

おそらく後者でしょう。


ダメ! (T∇T )( T∇T) ダメ!


ビンテージもそうですが,時間が経って6弦側だけが起きてくると大きな弓形になりますので,低音の量感はブーミーに多くなります。


w(°o°)w おおっ!!鳴っていると錯覚するするでしょう。


よほど,各弦のバランスを普段から重視して聞き分けている人でない限りはネック起きのギターの方が鳴りがいいと判断してしまうと思います。

私も以前はそうでしたから。


(ノ^_^) ハイ!


ビンテージでもL-00とかLG-2がサイズからは考えられない低音だー!と思っても,良くみるとネック起きが原因みたいなことは良くあります。

そこへナット下に詰め物がされて,上げ底になっていて,箱鳴りが伝わらず,うまく弦鳴りが引き出されてシャリシャリになると・・・逆にバランスが取れて枯れた感じのいい音に聞こえたりするのがギブソンの不思議です。


では,そういう長年かけてネックが起きたり,溝を切ったり,変化して来たギブソンを今度は完全に凄腕リペアマンが初期状態に近いように戻したらどうなるでしょうか。

ネックはリセットするか,アイロンでまっすぐにして,フレットから,ナット,サドルなどすべてをしっかり直したとしましょう。


音が完全に変わります。


もしかしたら本来のスモールサイズのギターの音になります。 もちろん経年変化した分音は良くなりますが,サイズ以上の音というのはなくなるかもしれません。

だって最初はそういう音だったのですから。


「(≧ロ≦) アイヤー


そうすると, 「このサイズからは信じられない・・・さすがビンテージ」 みたいな話はどこかへ行ってしまうわけです。

ハイフレットまで今の奏法でしっかり使ってソロギターを弾きたいという場合はやはり,ネックも直して・・・となりますよね。


でもそれは今出ているすごい低音は出なくなる可能性は十分あり得ると思った方がいいかもしれませんね。

基本的にギブソンは5F以下を使うギターと割り切って,ネックが起きても,そのまま対処療法で調整してサドルを下げるとかナットをいじるなどして使い続けるのがもしかしたら本来のギブソンなのか・・・と思ったりもします。


話がそれますが・・・時々私は整体に行きます。

秋田市の仁井田にあるその整体の先生は,かなり人体を理解している詳しい人ですが,人に説明するのが苦手な人です。

秋田の職人さんには結構いるんです。 


ププッ ( ̄m ̄*)  


その先生は若い頃にカイロプラクティックを学び最終的には針灸マッサージにストレッチ指導に至ったという感じです。


私も頭痛持ちだったので原因は親知らずなのかと思い,すべての親知らずを抜いたりしたこともありました。(でも原因は食後高血糖でした。かわいそうな無実の罪の4本の親知らずたち。)


カイロも結構行きました。 福島県いわき市の有名な所にも行った事があります。

カイロプラクティックは骨の位置を戻すという感じですね。

その秋田の先生はこう説明します。


「カイロは骨の位置を元に戻すのを基本としていますが,人間の体は骨と筋肉のバランスが取れていればそれで動けるのです。農家のおばあさんの腰が曲がって身長が小さくなっていても,リヤカーを押したり,畑仕事で重い荷物を担げるのは,自分がする仕事で使う骨と筋肉のバランスが取れているからです。もしも,若い人と同じように骨をパキパキと若い頃の位置に正しく戻したら次の日から寝たきりですよ。」


(≧∇≦)b なるほどっ!


骨の位置を支える筋肉が柔軟かどうかが大切で,人体は動かさないとどんどん動かなくなって行くからギターを弾いた後は,身体をもっと伸ばしたらいいですよということでした。

言われてみると・・・そうです。 そういうわけで私もストレッチは毎日しているのでした。


ギタリストは指のストレッチも大切ですね。


もちろんギターと人体は全く同じではありませんが,なんとなくですが,ギブソンとかビンテージギターはこれに近いものがあるような気がしています。

新品状態に戻すのが最善かどうかはっきりと言えないところです。

そうするべきギターもありますし,もっと現代風にセッティングを変更するギターもあると思いますが,もしかしてギブソンはそのまま使っている方が幸せだったりするかもしれません。



前置きが長くなりましたが,ギブソンのアドバンスドジャンボを使う本間君という秋田のギタリストがいます。


彼のギブソンにニコアースを付けたのです。


ちょっと起き気味だろうが,ネックの修理暦があろうが,ピックアップが付いていようがギブソンサウンドがするんですね。


生音を聞いてみましょう。







やっぱりいい音ですね。マイクで録ってみると特にいいですね。

ファイヤーストライプのピックガードです。

指板の独特のマーク。

そして,サイドバックが違います。




マホじゃないんです。ローズなんですね。


でも,やっぱりギブソンのサウンドがするんです。

ギブソンらしくちょっとテンションも緩い感じです。


どうしても使い込まれて行くと,ネックが起き気味です。 しかも,彼はある日ケースを開けると・・・・


ネックが折れていました。張りっぱなしにもしていないのに。

テンションは緩めなのにね。それでもギブソンは許されるのでした。いい音だから。


うわさではネック修理で有名な○○工房で6万以上とか。


「(≧ロ≦) アイヤー


でもかなり探さないと分からないくらいまで治っていましたよ。



CD2で録音してみましょう。



MIXPROが混ざらないようにギブソンのカタログを切って両面テープで勝手に貼ってしまいます。




ギターからMIXPRO,そして,リバーブからCD2で完全なライン録音です。







ギブソンらしいテンションの緩い感じまでが再現できているように思いますよね。


O(≧∇≦)O イエイ!!



高音の切れ味というかギブソンらしい高音も出ています。 軽くリバーブをかけるとそれだけでOK ですね。

もしかしたらリバーブなしでもかなりイケるかもしれませんね。


実はギターが完成して,納品の時に実際に彼と島村楽器イオン店のスタジオで2009年1月に音を出したのです。

そして,スタジオでMIXPROの内部設定を最終的に微調整しました。


彼はギブソンでソロギターをやりたいというのですから。


本来はこの甘い箱鳴りがギブソンらしいところで,箱は爆鳴りという感じに鳴るのです。


でも,低音をもっとタイトに絞って弦が聞こえるようにしたいという本来のギブソンの生音からは少し違うサウンドに仕上げる感じで調整しました。

それが出来てしまうのがニコアースのまたいい所です。

つまみひとつで箱なりを押さえられるわけですから。


ワオ w(°o°;)w


そしてセッティングが完成して彼が得意のオリジナル曲を弾きました。 良く演奏するライブハウスにローランドのジャズコーラスというアンプがあるので,それでもアコギサウンドが出るかちょうど島村スタジオにもあったので,テストしてみました。



感想は?


「新岡さん これはかなりいいですよ。どのアンプで使えるじゃないですか。」


という感じで,感動していただきました。


O(≧∇≦)O イエイ!!


というわけで,マーチン,ギブソン,テイラーとどれに付けてもそのままの音が出るというニコアースはかなり良いんじゃないでしょうか。

多少買った時と違っていても,変化して行っても,時には壊れても,枯れてもギブソンはいい音が出るから時代を越えて愛されているように思います。

なんと言っても20世紀の100年間はマーチンとギブソンの2大体制が続いたのですから。

そういう風に長い年月愛されているのは,本当に多くの人がいい音と感じる魅力が音色にあるからですね。 素晴らしいサウンドデザインなのでしょう。

おかしな所がいくつかあっても,いい音が出ればOKベイベー。


5フレット以下でジャキジャキ弾くのが本来の姿なのかもしれませんね。


(o^・^o) ウン


でもこのギブソンサウンドの良さをソロギター向けのギターで再現できないか・・・これが私のSUMIギターなのです。



今回の内容はエッセイでもあり,ピックアップでもあるので両方に載せました。


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