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ギターオタクセミナー in スタジオM 2008

  • 執筆者の写真: niioka
    niioka
  • 2008年11月17日
  • 読了時間: 15分

日本初? ギターオタクセミナー in スタジオM 2008/10/13のオタクセミナーの様子をご紹介いたします。 皆さん楽しんでくださいました。 プロを追いかけない趣味で弾く人のためのギターオタクセミナーです。




2008/10/13の祭日に名古屋から近い愛知県江南市のスタジオMの2Fライブスポットでギターオタクセミナーを開催いたしました。


スタMのWEBにもこんな紹介が載りました。


チケットが30枚完売であるということだったので,どういう人たちが集まるのか私自身とっても興味がありました。

o(^^o)(o^^)o わくわく



まずは当日,午前にスタMに到着いたします。



線路に近く,駅から3分くらいの場所にあります。


例のギターヘッドの絵柄はどこへ?


と思ったら,ショップの横壁にあったのです。 電車の人たちから良く見えるようです。



移転してからのスタMは実は私も初めてなのです。中をのぞいて見ましょう。



水野さんもスタMギター講師の草彅(くさなぎ)先生もスタンバイしておられました。 さすがの品揃えですね。

島村楽器以外の,地方の楽器店でこれくらいやる気がある品揃えはなかなかすごいですね。


ギターの方はどうでしょうか。



よさそうなものがさりげなく沢山並んでいますよ。



手前にはフォルヒが沢山ありますが,奥の方はマクロイギターが並んでいます。 2Fのライブ会場をのぞいて見ましょう。



ワオ w(°o°;)w  思っていたほど広いわけではありませんが,アコギライブなどは十分ですね。


スタMの事務方をしておられる水野さんの奥様もステキな方ですし,店長でPA担当の息子さんも細かく気を遣ってくださり助かりました。 こういうギターに強いいわゆる本物の楽器店が身近にある,愛知県の皆様はとっても有利な立場にありますね。


スタMの近くに住んでいるのにまだ行ったことがないという人はぜひ一度行ってみることをお勧めしますよ。



時間が近づくと会場にはぞくぞく私と同類と思われる,ギターオタクな皆様(失礼)が集まってまいりました。

午後3時スタートがスタMライブのお約束です。



事前のアンケートを分析しましたが,皆さんが知りたい点が完全に分かれていました。


調整に関心がある方もいれば,エフェクトとピックアップの方に関心がある方もおられ,生音ギターの弾き比べに関心がある方もいれば,演奏の方に関心がある方もおられます。

( ̄ヘ ̄;)ウーン


これが少し時間が長くなったひとつの原因だったと思います。


これは今後の改善点として,次回は共通プログラムの前に,調整&エフェクト講座を別に設けて少人数で行うというのも良いですね。



第一部はギターレッスンです。

「15分であなたの演奏が変わります。たぶん。」と題する右手のレッスンです。


キャリアがそれぞれ,5年以下,15年以下,それ以上の方々から代表して3名の方に出ていただきました。 皆様に簡単なアルペジオを弾いていただきました。


ギターはローデンそっくりのマクロイをお借りしました。


アコギの演奏は右手がかなりの重要です。 音量もメロディーもリズムも右手が作り出すわけです。

音量のバランスを最初に考えます。 簡単なことですが,目指すものがはっきりしていれば良い音が出せるようになりますが,漠然と弾いていると何年も経過してもそれほど変化がない事もありますよね。


簡単な G-C-D7-G のアルペジオですが,音量のバランスを考えます。


低音の音量を上げるには親指の使い方が大切になります。 最近のフィンガーピッカーに多い,「わしづかみ」スタイルを紹介しました。

親指をカントリースタイルで使うのではなく他の指と同じ方向に曲げるのです。

これにすると誰でも簡単に音量が上げられますね。 そして爪を少し伸ばしていれば,弦を擦る音が低音弦にも入りますので,メロディーを弾く指との音色が近づいてまとまり感がありますよ。


音量が上がったら,今度は音色です。 クラシック風の指の使い方と鉄弦のアコギとはちょっと違うと思っています。

弦が違いますので,鳴らし方も違ってくると思うのですが,一緒に書いている教本があったりしますよね。


右手の形の作り方も説明しました。


そして,太い音色を作る 「ニベア奏法」 を紹介しました。

「ニベアのクリームを取るように人差し指を弦に擦るように使います」などと笑いを挟みながら,ほとんどの方が最初に弾いたアルペジオよりも良い音を出せるようになりましたよ。


「今日早速ニベアを買って帰ります」という意気込みがあればきっと上達しますね。


他の参加者の皆さんもこれを練習すればばっちりでしょう。


これは右手の使い方,音量と音色を整えるという講座でしたが,他にも普段の教室で人気のテーマがいくつかあります。


「絶望感漂うEmを弾いてみよう」という表現力の講座 同じアルペジオでも抑揚で全く違う印象になります。さだまさし的な悲しいEmを弾いてみましょう。抑揚の3要素を考えます。


「リズム譜は語呂合わせで数えよう」リズムを理解する講座。 譜点が付けば1.5倍で・・とか頭で計算するのはナンセンスで,リズムを自分の口で表現できるかどうかが重要です。 リズムが正確ならメロディーはギターが出す物ですから,良い音楽になるはずです。


コードの仕組みを考えるとアレンジが出来るようになる簡単な音楽理論の講座 コードの仕組みと調の仕組みが分かれば音楽はもっともっと楽しくなります。 音楽の正体はこれだったのかという感動の講座ですね。


「ストロークで表現する一人バンドの講座」 強く弾けば感動できるわけではありませんね。 ストロークでバンドサウンドをイメージさせるには何が必要なのでしょうか。 ピック一枚でベードラを再現しましょう。 ぴっくりしますよ。


などなどいろんなテーマがたくさんありますので,次回もまたできればいいですね。




第二部 は調整などの話やエフェクトの使い方を説明しました。


倫典さんや岸部さんのボディヒットをメインとしない奏法の場合はコンタクトもマグネチックも一緒にMIXした信号にエフェクトをかければ良いのですが,押尾奏法を本格的にやりたい場合にMIXだけでは苦しくなります。

ヘッジスの音作りからのヒントを紹介してマグとコンタクトの別々のコントロールを説明しました。 もちろん押尾システムもすべて2CHでコントロールです。


考えてみますとバラードは良いとしても,早いリズムでボディを叩く曲で,叩く音にもリバーブが同じようにかかったら音がつながってしまいますよね。 それで弦には長目のリバーブがかかっても,ボディヒットにはリバーブは薄くしかかけたくないのです。

これをコンパクトの機材でどう実現するかなんですね。

また,リバーブの使い方ですが,ディケイというつまみとプリディレイのつまみをどういじれば岸辺風になるのかも説明してみました。



熱心に聞いてくださっている生徒の皆様です。



第三部 では,本来はライブだったのですが,生音の弾きくらべコーナーを希望する方が多数おられましたので急遽それを試してみました。


メーカー製代表として,マーチンOM28VとテイラーGSのRS(スプルース&ローズ)を,手工品からはマクロイ(シダー&ローズ)とドライゼンター(シダー&ローズ)と4本のギターを並べて私が同じ曲を弾いてみました。


その後皆様に手を上げてもらいどれが一番良かったですかと質問してみると・・・


なんと,マーチンはゼロなんです。

「(≧ロ≦) アイヤー



テイラーが5,6名でした。

w(°o°)w おおっ!!



残りの人数はマクロイとドライゼンターが二分した形になりました。


手工品の音が良いと感じる方が沢山おられたわけですね。 実は私もそう思いました。ドライゼンターは定価が他より少し高いギターでしたが,他のギターは値段がそれほど大きく違いません。


生音になると手工品がやはり皆さん良い音と感じることを改めて理解しました。


もちろん,メーカー製でもビンテージになれば違いますよ。


フジサンケイグループの作った昔の番組で,アメリカンギターズというのがありましたが,その中でマーチン博士のマイク・ロングワースが「25年弾きこんだマーチンギターの音は新品では決して出せません」と述べていますので,マーチンのビンテージは一応25年からということでしょう。

私としては30年物がやはりビンテージと感じます。



話を戻しますが,この同じ人が同じ技量で同じ曲を弾いて客観的に聴き比べられる生音対決はとっても面白かったのです。

これは良い企画でした。



最後はライブコーナーです。


でも普通のライブではありません。



オタク的解説型のライブです。

(≧∇≦)b OK!



曲ごとにポイントを解説して行きます。


アマチュアのギターレベルで感動する音楽を演奏するには,もっと左手が楽になる曲を選んで右手の表現力に能力を使う必要があることを具体的に説明できたと思います。

最近私がアレンジしているウォーターイズワイドもそうですし,他の曲も簡単アレンジですが,右手の使い方により簡単には聞こえないようになっています。

そういう簡単アレンジでも右手の表現力で音楽が感動的になるという例をいくつか弾いて見ました。


悪い例としてプロの曲を弾くとどうなるかもやりました。 おそらく弾ききれませんと言って弾きました。

倫典師匠のシティオブトーキョーでしたが,意外に皆さんの感想は良かったということでした。


岸辺奏法の3つの秘密として,1スカルプチャー,2レキシコンリバーブ,3はうねりだと私は思います。

このうねりの部分はどうしても生で解説しないと伝わりませんね。


これも好評でした。


最後は元生徒で,今はスタMのギター講師をしている草彅先生と二人でウォーターイズワイドを弾きました。

深いリバーブの中にカポ2のテイラーととカポ4フォルヒOMの弦の音色が交じり合って,もっともっと聞いていたいという,弦の響きが作り出されました。


とっても良い演奏でした。


草彅せんせい  ブンブン ヾヾ(^-^) ありがとがとぉ♪



ギターオタクセミナーの初回はまず大成功と言って良いと思います。


次回はさらに皆さんの個々のリクエストにも答えられるように内容を調整したいと思っています。



セミナーが終わってからのことです。


少し前に,関東の某大手楽器店からマーチンのD-28マーキス(中古でも50万クラス)を通販で買ったら,2弦だけがピヨーンという音が出ておかしいとお店に連絡しても,「2弦だけミディアムにしてみてください」というどうしようもない返答で困っていたのです。


その方がギター持参で会場に来られていました。


普通のリペア暦がある人は音を聞けば一発でわかることでしょう。 私はメール相談の時点できっと原因はあれだなと思っていました。



私は勝手にシタール現象と呼んでいますが,ナットの溝を切るときに角度が浅すぎたり,切り方がまずかった場合に,1弦溝の頂点が指板側に来れなくて少し頂点がヘッド寄りに,わずかに奥に入ってしまった場合に生じる現象です。

ピヨーンという音が特徴です。


弦の巻き数を増やすということで弦角度が変わって解決することもありますが,これは切り方がまずかったのでナット溝の1F弦高の残りを確認してからナットやすりでササッとなでました。


実質2,3分のことでしょうか。見事にテンション感があるマーキスらしい艶のあるプレーン弦の音が出て来ました。 持ち主の方にはたいそう喜んでいただきました。


この場合のようにショップがどうしようもない返事をする場合,ユーザーとしては本当に困ってしまいますよね。 私も昔はそうでした。

ギターという楽器はピアノなどと違って弾くだけというものではないので,楽器のメンテナンスの知識も大切で,ギターいじりは趣味のひとつですよね。


そういう悩みも解決するオタクセミナーだったのです。



満足げな水野さんと一枚です。

ギターオタクセミナーの参加者にはウォーターイズワイドの楽譜を後ほど差し上げました。

セミナー参加者から送られた率直な感想のいくつかをご紹介しましょう。





日本初?の「ギターオタクの集い」お疲れ様でした。これで2000円は非常にお得!ありがとうございました。 いつも新岡先生のホームページで勉強させてもらっております。

50の手習いではありますが、「花」をはじめ岸部さんの曲をちょっとではありますが弾けるようになりました。

前置きが長くなりましたが、次回また新岡ギター教室INスタMを楽しみにしております。ぜひまた愛知に遊びに来て下さい! -Nさん





本日、スタMのギターオタクセミナー(笑)に3名で参加させていただきました。 以前からHPを拝見しており、今日を楽しみにしておりました。内容は想像?以上にオタク度数の高いものでした。

特にギター生弾き比べはそれぞれのギターの音色に感心しました。 また自宅のギターコレクションが増えそうで怖い感じです。 -Hさん




一番印象的だったのは、1日16時間弾いているトミーの曲を、1日1時間以内の練習で弾くのは現実的に難しいのでは、という話でした。

あきらめがついた、というか、自分って音楽的な才能ないのかなとか、なんでうまく弾けないんだろうとか、思ったりすることがあったけど、当たり前だよな~とほっとしました。

G-C-D7のアルペジオをどうやったら、うまく弾けるか追求するのも、誰でも弾けるものだからこそ逆に難しいですよね。 また、来年も是非名古屋へ来てください!ありがとうございました。 -Yさん





内容がもりだくさんで、大変よかったです!! 特に、ギターの弾き比べは大変、興味深かったです。

演奏も、聴きごたえがありました。 是非、また、スタジオMに来てください、必ず参加したいと思います。 -Hさん





非常に内容の濃い3時間で、終始感心して聞いておりました。 特に、最初の音作りのポイントと、最後の岸部サウンドの音のゆらぎの作り方がとても参考になりました。

早速、岸部サウンドを、と思い帰宅してから体をゆすったりして真似をしてみましたが、これも自然にできるようになるまでかなり練習が必要なんだなと感じました。

また、ぜひスタジオMでセミナー&ライブをお願いします。  ※最後に演奏した「Water is Wide」素敵でした。私も弾いてみたいと思いました。 -Yさん





ギター弾き比べでは、マーチンの音にはがっかりしました。 私のギターはフォル ヒのOM32-CMですが、こっちのほうが良い音に感じました。

この弾き方で音が変わる、と言うのはとても参考になりました。

最後のミニライヴは...凄く感動しま した。 インストを今年の5月から始めたのですが、やっぱり弾き語りよりもインストをずっとやりたいなと実感しました。

また、新岡先生のように上手く演奏出来るようになりたいな、と思いました。 次回は、ライヴをもっと増やしていただけると嬉しいです。次回も必ず参加します!

本日は、大変感動した一日となりました。ありがとうございました。 -Hさん





ほんの希望ですが、次回もお願いできるのであれば、こんなセミナーが開催されると嬉しいです。

1.もっと人を少なく(10人で午前・午後各1回とか・・・・) 2.ジャンルに特化して(奏法か機材か) 3.もっとオタク度の高い(設定を変えながらエフェクター弾きくらべとか・・・・)

ホントは、自分の機材一式でもって評価してもらえるとありがたいのですが、難しいですね。ホームページはいつも楽しみに拝見させていただいてます。

それと、オタクセミナーがこれからも継続してもらえると、これほど嬉しいことはありません。勝手ながら期待大きいです。 -Oさん





昨日は長時間に渡りスタジオM:ギターセミナーを開講して頂きありがとうございました。 非常に楽しく拝聴させていただきました。

以前から右手の形、使い方に疑問を抱いており、今回の講座でいくつかの疑問点が解消し、とてもすっきりしました。

欲を言えば、どういった指の使い方をしたら、正確なリズムを刻めるか、どうしたらミスタッチが減らせるか、新岡先生の経験からコツをお聞き出来なかったのが残念でありました。

エフェクターについてもとても興味深い情報を得ることができ感動しました。 (ステレオ出力でコンタクトにリバーブをかけないとか、レキシコンの使い方等) コーラスについても今後情報提供していただけるとありがたいです。

また、メンテナンスにおいても、非常に参考になり、特にナットの遊びをやすりで作る方法には驚きました。 是非愛器のD28で試してみたいと思っています。

今後は、このセミナーを定例化していただき、年に一度はスタジオMにて開催されることを切に熱望いたします。 -Sさん





最初のギターの弾き方講習では、日頃、運指などに囚われて忘れがちな部分を確認することが出来、有意義でした。先生のホームページに書かれている内容もいくつかありましたが、それだけ先生のホームページが充実していると言う事だと感じました。

あと、「うねり」の話もおもしろかったです。「うねり」の件は、先生の日記に少しだけ書かれていましたが、いつ披露してくれるのだろうと心待ちにしていました。さっそく真似させて頂きます。

「難易度Aの曲を深める」という考え方は大賛成です。(と言うよりも賛成せざるをえない状態です)もし可能であるならば、新岡先生のアレンジした楽譜を是非とも出版して欲しいです。CD付きでCDは宅録で行うというのはどうでしょう。

糖尿病になってしまったとは思えないスマートな体型に少し驚きました。ギター愛好者の「裾野を広げる」先生の活動が一層広がりますよう、ご自愛下さい。 -Sさん




というわけで他にも紹介し切れませんが,沢山の方から良かった良かったと感想を頂きました。


アリ\(*^▽^*)/ガトゥ


ただのギターライブでもただのギターセミナーでもありません。 アマチュアのギター弾きがぶつかるいろんな疑問質問に答える(知っている限り),もしくはその場で解決する(できる限り)セミナーです。


練習の仕方や弾き方はもちろん,エフェクト,ピックアップ,そして演奏のコツまで。



次回は,調整やピックアップ講座を少し分離して,セミナーをギターレッスンと生音対決コーナーとライブにしようかなと考えています。ユーザーさんの持つギターも番外編で対決に参加してもらうというのも良いと思っています。


人数が集まれば,あなたの町でもギターオタクセミナーいかがでしょうか。


楽器店でも,カフェでも,ギターサークルでもギターオタクな仲間が集まればOKですね。

では,スタMでオタクセミナーがまた開催できればうれしいですね。

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