ナットの調整には3つの流儀がある気がします。ナットサドルの調整でギターは大きく変わります。 この点接触の調整はすごいかも。
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2010/7/20
ナット調整の考え方も現在とこの時とは少し違います。
手工品のギターは全面接触でいい音になるように設計されているものもあります。
でもメーカー品は同じ方法でない方が良いと思います。
ナットの調整の仕方も日々進歩しております。溝に弦が埋まった感じにしてテンションを軽くする方法もあります。
ナットの原理みたいなものの理解が少し増したと思います。
それで,以下の内容は過去のひとつの参考としてご覧くださいね。
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時々オークションページで,「プロのリペアマンにて点検済みだから心配要らない」というような内容がありますよね。
でも,本当にそうでしょうか。
確かに,全くの素人よりは良い気がしますよね。しかし,調整の素人でも音が良いかどうか,感動するかどうかという部分は鋭い人もいます。
車もそうですが,メカニズムをすべて説明できないとしても乗ってみて何か感じるものはあるはずですよね。
自分の求めるものかどうかとかはわかりますよね。
ギターの音の調整も似ています。
プロのリペアマンがいい仕事をしているのですが,自分が求めるものとは違う場合があります。
実はナットの調整には大きく分けると3流派あるように思います。
これがアコースティックギターマガジンのVol17に載りました。
このアコギマガジンはプレイヤー直伝のアコギの管理術が載っています。ギターいじりをしてみようという人はきっと参考になる点があるでしょうね。押尾特集もあるし。
この図の真ん中が少し違うのですが,私は次のような3流派が存在すると思います。
2006/4/26 追記
クラシックギターでも同じですかという質問を受けました。
それで,一応実験してみました。(ナットを1個犠牲にしました)
タイプAはもっともテンションが高くなります。それで,クラシックギターはタイプAにするべきだと思います。弦のテンションが鉄弦よりも緩いのですからできるだけ大きくするべきだと思います。
ナイロン弦でタイプCではテンションが足りない音になります。
明らかにタイプAの方がアタック感があります。
クラシックギターはタイプAで,サドルは面接触というのが基本でしょう。
普通の鉄弦ギターでは,タイプAだとボンつくようなアタック感が出てくる事があります。それをいい音と考えるか,タイプCの方をいい音と考えるかは音のデザインの好みですが,私は鉄弦でタイプAの場合は,ぼんつき気味で輪郭が甘いと思います。
もちろん,トータルバランスの問題ですので,ナットだけで出音の良し悪しのすべてを語る事は出来ませんよね。
このようにタイプA,B,Cとして説明します。 皆さんのギターの弦を緩めてその弦の後がどれくらい黒くナットに残っているかを見てみて下さい。
この写真ではタイプBみたいな感じですよね。
向こう側を落としています。
ここを見ればナットのタイプABCが分かりますよ。
(ノ^_^) ハイ!
もしも,自分はもっとはっきりした音をギターに求めているのに,やっぱりMartinの音色は甘いな~と思っていたりするならこの調整で大きく変わる可能性はあります。
スキャロップだから箱が鳴りすぎるんだよね。などと思う方もいるかもしれませんが,本当にその箱鳴りが原因でしょうか。
もしかして,調整不足の甘さを感じているのでしょうか。
多くのメーカー製のギターははっきり言って未調整です。
タコマのギターはいいと思いますが,店頭では未調整で仕上がっていないという気がします。
試奏して詰まったような甘い音になるのは,ナットの下のボンドがすごいから,ナットのフィットも甘いからだと思います。
もしくはサドルフィットもしっかりしていないからでしょう。
でも,フィットの甘さは別として,削ってあるものは元に戻せませんので,弦高とか削り具合は調整できる余地を残して,未調整のまま出荷する方が正しいと思います。
ユーザーが経験を積んで,ギターの音をただ判断するのではなく,調整前の音や,箱鳴り具合とかを聞いていわば,そのギターの可能性を聞き分けられるようになるのが理想でしょうね。
その道のりには,まずはタイプCにしてみると音の違いがわかると思います。
そして,サドルも点にしますが,最初に普通のサドルを見てみましょう。Martinの標準的なサドルです。
左がマーチンに付いてくるミカルタのサドル。
これでは頂点が点ではなく面になりますよね。
もちろん,面の方が同じ音が長く続くような,つまり,寿命が長いような気がしますよね。
しかーし,オタクなので音質を究めてみたいと思うのです。 これを点にしてみましょう。
サドルはサドルの溝にキシッと入るように寸法を少しづつ出します。最初は幅だけを考えます。次に長さを合わせます。
キシッと入るようになったら,次に底面をしっかり出して,その次に上面の加工をしました。
ギターのトップをさかさまにしても落ちてこないのが重要です。
タスクには素材として売っている大きいものもありますし,サイズ大き目の物を買えば,好きなサイズに出来ると思いますよ。
PQ-9280-COとかも大きいですので,削って使えると思います。フォルヒ,Taylor,ラリビー,ギブソンなどはこれを使ったらいいと思います。
削るにはどうしてもバイスがあった方が良いですね。
バイスも買って,ここまでやるのでした。 タイプCにするには道具が必要ですね。
これを上の写真まで削るのだから手間がかかります。
さらに,時間も根気も必要です。
でも,音は違いますよ。
こうなってくると,一般のショップのリペアでは限界があるというのがわかるでしょうか。
一般のショップでは,ここまでやればいいということが分かっても出来ないレベルの作業かもしれません。
これをやってくれるショップはバナナムーンくらいでしょうか。
そして,この手間ひまというだけではなく,プロの耳で音色のバランスを取ってくれますし,もちろん弦高もすごいバランスで取ってくれます。
ちょっと素人がまねできない次元の調整です。
(ノ^_^) ハイ!
スタジオMの名器 MD-47というギターがありましたが,あのバランスはこのナット側がテンション緩めのタイプBでサドル側が点接触のタイプCというMIXでした。
これも,ありだと思います。
というのは,音色も求めつつ,テンションがある程度低くなる気がするからです。
私はタイプCを知ってしまいましたので,テンションが上がってもこの音色を求めてしまうのです。
どうしても,テンションを上げたくない場合はナットはタイプBで,サドルを点にするというのもあると思います。
タイプCの調整でテンションが少し上がると,弦高をさらに下げる事が可能になると思います。
現在バズっている弦があれば,そのバズリが小さくなるか止まる可能性もあります。これは明らかにテンションが上がった証拠だと思います。
最初はタスクのサドルを一つ買ってみて,それを点接触に削ってみてはどうでしょう。
その音色はノーマルとどれくらい違って聞こえるでしょうか。
実は私のフォルヒにもこれをやってしまったのです。
その音は・・・・。
d(>_< )GOOD!ベリーね!
この実験室の下の方にある数年前の実験からは,実際かなり理解が深まったと思っています。
それで,昔の話は参考に読んでくださいね。
(=^_^=) ヘヘヘ
このHPに最近来た人は下の記事から読むのがいいのかも。
つづく。
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