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niioka

弦高とテンションの話


弦高とテンションは関係がありますね。 ロッドの調整もそうです。 弦高は12Fだけではなく,1F弦高が大切ですね。



2010/7/20 現在は1F弦高を何ミリという方法では測定しません。 ロッド調整の加減でネックの反りが変わるとここの数字は大きく変わるので,次の方法を使います。

3Fを押さえて1Fの弦高を見る。 ここのカチカチ具合でナット溝の残りを確認するのがいいですね。 このページはナット側で低いセッティングと平均に低いセッティングがあるという事を知ってもらえれば良いと思います。 数字にはあまり細かくならないでくださいね。



ローフレットでコードストロークだけをするなら,それほどギターの弦高は問わないと思いますが,次第に難しい曲を弾くようになるとテンション感がどうのとか,弦高のわずかな違いが気になってきますね。


( ̄Λ ̄)ゞ んむっ


ギターのテンションが高いのか,それともただそのギターの弦高が高いだけなのかは,初心者では判断がつかないと思います。


弦高が高ければ同じギターでもテンションは上がります。 弦高が低ければテンションは下がります。


また,ギターの順反りが強ければテンション感はあがります。

これは当然ですよね。


指先が弦に触ってから,指板に押さえつけるまでの距離が短いのと長いのでは引っ張る力がかなり違いますよね。

オークションなどで12フレットの弦高が何ミリという表示があります。あれはひとつの目安にはなりますが,あれがすべてではないですよね。

弦高とテンションには,もうひとつの重要な要素があります。 それは1フレットの弦高です。


(≧◇≦)エーーー! 知らなかった。


例えば,6弦の12フレットの弦高が2.5ミリの同じギターが2本あったとします。

片方は1F弦高が0.8ミリのメーカー出荷状態で,もう片方が0・45ミリでバズるくらい低くなっているとしましょう。

12F弦高は同じなのに,このギターの弾きやすさは全く別物というくらい違いますね。

音量も鳴り方も違うでしょうね。

弦高が高い方が当然鳴ります。でもかなり弾きにくいと思います。 テンションが強いと感じると思います。


このように,12F弦高が同じでも実際には大きな違いがあるんです。


それで,リペアマンの中には1F弦高を下げないような調整をする方も多くおられます。

弦の艶とか張りとかその辺は1F弦高を下げない方が確かに出ます。

でも,弾きにくいものは音色が良くても困ります。 その限界点はどのくらいの数字なのでしょうか。


( ̄~ ̄;)ウーン・・・


ギターの設計によってもかなり違ってくるので,一概には言えません。が,目安として次の図をご覧ください。


一般的な弦高設定の目安

左がナット側で右端がサドルです。


12フレットの弦高を2.5ミリにとってナット側をぎりぎりまで下げた時の感触と,12フレットを2.1ミリまで下げて1フレット弦高を少し上げた時の違いです。

図のようにラインが違うことがわかります。


もし,5フレット以下の使用が圧倒的に多いギタープレイヤーであれば,弾きやすいのは青ラインになります。

サドルも高めですのでギターは鳴ります。音色は1フレットが下がると張りとか艶は少しだけ下がる傾向にあります。 テンションはかなり軽くなり弾きやすさは抜群ですね。 強く弾けばバズります。 変則チューニングで落としていくと,腰がないというかテンションが足りないと思うかもしれません。 0.45というのは一例で実際はちょっと低いと思います。




もし,あなたが7フレット以上の部分を多用するプレイヤーであれば,弾きやすいのは赤ラインになるでしょう。

サドルは低いのですが,1フレット弦高が青ラインより高いので,テンション感はあります。艶とか張りもあります。 テンション感があるので,弾きやすいかといわれれば,ローフレットでは青ラインよりも弾きにくい面もあります。 強く弾いてもバズリません。 変則チューニングで落としても,テンション感が残ります。




もしもギターを渡されて音を出してみる時に,ほとんどの人はローコードを弾きますよね。 これはアコギの特徴ですね。 いきなり7F以上で試奏する人の方が少ないでしょう。(多くの人はGだったりします。私はEとAmadd9です。)

弾き語りの人は青ラインで正解だと思います。 弾きやすいギターは大切ですよね。


リードプレイの場合はどっちがいいでしょうか。 これは少し難しい問題です。

弦高が低いと箱鳴りは小さくなるのです。 0.2~0.3ミリくらい弦高が高くてもリードプレイの人は弾きこなせると思います。 その時に音量がある,いい音が出る方が,気持ちがのっていい演奏が出来たりします。

そして,テンションがゆるい方が楽だったりします。

弦高が低くてもテンション感がある方がいいかはその人の選択ですが,アコギはローフレットを多用する楽器ですので,青ラインの方が全体には満足される人が多いと思います。

変則チューン多用のソロギターで押尾系などをする方はテンションがないと困ることも多いと思いますので,赤ラインを選択する人が多いと思います。


私はそのギターの用途で分けるのがいいと思っています。

というわけで基本的には青ラインがいいような気がします。 それでも1Fを下げすぎないようにします。


最初の図の a の部分の数値ですが・・・。

6弦が0.65~0.6そこから5弦,4弦と0.05ミリずつ落としていって,1弦が0.45~0.4位がいい数字ではないでしょうか。

ちなみに,フォルヒは多くが出荷時点でこのくらいに調整されていたりします。(なぜか例外もありますね。)

アストリアスのソロプレミアム(OM)は12Fが1弦側1.8ミリ,6弦側2.3ミリでソロギター向けという宣伝をしていましたが,1フレット側の弦高は結構高くて0.8ミリくらいありました。たぶん未調整という意味でしょう。 それでテンション感はありました。


やはり,弾きやすいギターのカギは1フレット弦高ですね。


私の最近のセッティングは・・・。 b の数字はOMの場合は6弦が2.3~2.5ミリ 1弦が1.6~1.8くらいにしています。

そこから時間をかけて,ほんのチョイだけ a の数字を下げたりします。

私のライブ用のフォルヒはかなり下げてあります。

私のボジョアはバナナムーンチューンですが,神技の弦高調整です。

おそらくもう0.03ミリでバズると思われます。 DADGADでもバズらない弦高なのに,テンション感はきわめて柔らかく,音色には艶と腰と張りがあります。


アディロンとハカランダのレスポンスもありますが,音量が普通のギターではありません。


この弾きやすさと音色をハイレベルで両立しているギターを弾いて感触を確かめて,私も日夜このような調整を目指しているのですが,なかなか他のギターではこうはなりません。やはり,作りのいいギターに調整のプロが仕上げたものは違います。

「(≧ロ≦) アイヤー



ドレッドの弦高設定は

最近はドレッドでフィンガーピッキングをしたりしますが,本来のドレッドの使い方はフラットピックのような気がします。

それで,ドレッドは中低域が強いので,メロディーが立ちにくくなる傾向があります。そのため,低音を少しマイナスするような弦高設定にする方法があります。

12F弦高が6弦2.3~2.1ミリ,1弦1.8~1.6ミリくらいに持っていきます。

このように低音を少しマイナス気味にしてあげると,ドレッドでもソロギターが楽しめるようなバランスで鳴ります。

鳴るギターでの話ですが,サドルを完全な点接触にすると,低音が出すぎるギターもあります。 以前にラリヴィーのボディが大きいタイプで,完全な点接触ではどうしても鳴り過ぎてメロディーが立たないということがありました。 ラリヴィーはかなりの程度設計を煮詰められたギターなのかもしれません。(その割りにネック起きが結構あるよね。)

OMでテンション感がある設定で低音を引き出すようにがんばるよりも,ドレッドで贅沢に低音を犠牲にして音を作るというもいいものですね。

(≧∇≦)b なるほどっ!



トラスロッドの重要性について

でも,弦高をきめる前に大切なことがあります。 それはトラスロッドの位置です。

これはかなり違いがあります。

弦を張ってチューニングして,その状態でロッドをまっすぐに近づけてから調整していきます。 少しずつ緩めて行くと,弦の芯と箱鳴りが引き出される位置があります。

でも,緩めるといっても最後は必ず締め側に回します。 ねじですから,緩む方向には使いません。ペグと一緒で締める方向にだけ使います。

時計で考えると5分戻しても,2分進めるような気持ちでやっています。

ロッドを緩めすぎると,ギターによっては箱が鳴りすぎて気持ちが悪くブーミーな感じに鳴ることもありますので,やり過ぎないでベストポイントを見つけるのが大切です。

普通のネックは7Fを中心に反りが出るように設計されています。 14Fジョイントなので中間の7F辺りで反りがでて,そこをロッドで動かせるようになっているわけです。

以前に一度見たことがありますが,ミディアムを張りっぱなしにして,3Fのところから反っているものがありました。これはロッドでは直せませんね。

6弦の1Fと14Fを押さえて,中間の7Fをカチカチとしてみる。

6弦の1Fと7Fを押さえてカチカチしてみるとか。 7Fと14Fでカチカチ。 9Fと20Fでカチカチなどいろいろしてみるとネックの反り具合を少し理解できるかもしれませんね。

そして,テンション感がこのロッド調整でかなり影響されてくるのです。 簡単に言えば,まっすぐの方がテンションは軽く感じます。

少し順反りが強いとまっすぐの場合よりも7フレット辺りの弦高が高くなりますので,テンションは強く感じると思います。


でも,この調整が難しいギターがあるのです。

コリングスとヘッドウェイ(国産)です。

どちらも,普通のロッド調整の位置にロッドがありません。 サウンドホールのロッド側のブレイスを普通は削って6角レンチの受けが見えているものですが,これらのメーカーのは,それがないんです。

サウンドホールの指板側のブレイスは太いまま付いていて,その向こうにレンチがあるんです。

しかも,ヘッドウェイは6角レンチではなく,普通のスパナです。

「(≧ロ≦) アイター・・・


ヘッドウェイはこの8ミリのスパナで,弦を一度はずしてから,ロッドを回しなさいというのです。


これはかなり不親切な気もしますが,「トーシローさんはいじるなよ」と言っているのでしょう。

o(ToT)o ダー


しかし弦を張った状態でロッドをいじれないと,箱鳴りの変化はわかりません。


コリングスも同じ位置でブレイスの向こうにありますが,6角レンチです。でも,4ミリサイズです。

ラリヴィー用のレンチというのはブレイスを超えて回せるような形になっていますが,このような形で先端が違うものがないと私のオタク的な調整はどうしても進みません。


それで,特注で作ってもらいました。

(; ̄Д ̄)なんじゃと?


横浜のS社長ありがとうございます。! (*^ - ^*)ゞ ポリポリ



ラリヴィータイプのヘッドウェイ用のレンチです。


これがあれば,ヘッドウェイのギターもこんな風に出来ます。



そうなると勢いがつきます。

ププッ ( ̄m ̄*)



今度はコリングスです。

サウンドホール近くの太いブレイスの向こうに4ミリのトラスロッドがあります。

ブレイスを超えて回せないとだめですね。





コリングス用も作っていただきました。

これでOKです。


もっとも箱鳴りと弦鳴りのバランスがいいところへロッドを持っていけます。

このあと弦高調整をします。

ナット溝を深く切ってから,ネックの反りを戻すと悲しげに,ジーンジーンと余韻が響きますよ。最初にネック調整ですね。

(⌒Θ⌒)ぷぷぷっ♪

手順は大切ですよ。



というわけで,テンションが高いギターなのかどうか。 これは弦高調整の仕方が大きく影響があります。

早急にだめなギターだと判断しないで,まずはいじってみましょう。

愛情が大切ですね。


でも,合板ものは愛情を注いでもより合板らしさが出てくるので,あまりお互い知らないでいる関係の方が良かったりします。

ププッ ( ̄m ̄*)


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