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那須町 AGR訪問記


栃木県は那須にあります,アコースティックギター工房 AGR を訪問しました。森の中のログハウスという素敵な空間です。 秋田杉の話や,ロッド調整,アコギのエージングなども書いてみました。



那須というのはいい所です。天皇家も避暑に来るくらいの場所です。観光地で珍しいモノが沢山あります。

でも,意外に土地は高くなくて別荘を持つ人も多い場所らしいです。


その那須で森の中のログハウスに住んで,家の前に別立てのログハウスでギターを作っている島崎さんがおられます。

AGRギター工房


以前に私のMartinのトップ割れを直してくださいました。

島崎さんは多くの人がギター製作の入口とする,ロバートベンギタースクールで学ばれた理論派のビルダーなのです。それで,説明が非常に分かりやすいのです。


そして,自分の意見を押し付けません。すごいことですね。


そのギターに関する知識をCDにして分けておられます。 非常に参考になることが書いてありました。

AGRのもう1つのHP



さて,AGRまで足を運んだのはわけがありました。 NIIOKAモデルの調整と,もう1つは秋田杉の可能性を確かめてもらうためでした。


おまけにいろんないいギターを弾かせてもらえたら楽しいなということです。


島崎さんのオリジナルギターが出払っていて手元になかったのが残念ですが,1914年モノのMartinがありました。


すごいですね。板は100年以上前のものかもしれませんね。 このサイズとは思えない音量で鳴ります。


自分のギターもがんばって100年弾き込んでみたいですね。

(⌒Θ⌒)ぷぷぷっ♪



60年代のハカランダMartinも弾かせてもらいました。 やはり,年数が経つという事は重要ですね。

「経年変化を超えられない」とよくいいますが,本当ですね。 弾き込んで時間がたったギターには新品ではどうやっても勝てない何かがありますよね。


弾いていて時間を忘れるような,アルファ波が出るような気持ちのよさがあります。


実はこのAGRに来る二日前に63年のギブソンと63年のギブソンのトップだけを貼り変えたギブソンを試奏したのです。

63年のF-25というクラシックギターのようなギブソンですが,鳴りは気持ちがよくていつまでも弾いていることが出来ます。でも,トップを変えたJ45の方は,新品のような固めの音がします。


やはり,トップを変えたらビンテージの音は出ないんだなと思いました。


ビンテージサウンドには確かに魅力がありますね。 だから初心者は最初からいいギターをがんばって買って,何とか25年弾き続ければいいんですよね。


マーチンのビデオの中でMartin博士マイク・ロングワースは「25年弾かれたギター」という言葉を使っていました。 ぜひ,ギター初心者には最初から25年使えるような,ビンテージになり得るギターを勧めるのはどうでしょう。


私が昔々,スピーカー工作をしていた時代にエージングという言葉がありました。


簡単に言うと慣らし運転のことです。スピーカーのユニットも,取り付ける箱も音を鳴らし続けて初めて本来の音が出るようになるのです。

モノにはすべて共振周波数というのがあります。ある周波数で共振が大きくなるところがあるんです。


ギターもスピーカーも鳴らし続けると,最初はばらばらだったそれぞれのパーツが全体として1つの共振周波数を持つようになると考えられます。

さらに,木という素材がすばらしいです。以前に読んだ大学教授の論文では,木として立っている時と,切られた時と,乾燥された時と,ギターに組まれた時と,鳴らし込まれた時で木の細胞質(セルロース)は変化し続けていくというのです。


弾き続けて振動を与え続ければ,木材のセルロースが変化して,おそらく枯れていくというか,化石に近づくのか,いずれにしてもいい音が出るように響きが変化していくというのは興味深いですよね。


やはり,ギターは鳴らし続けるのが大切ですね。



話を元にもどしましょう。

(ノ^_^) ハイ!


秋田杉の柾目で色がボディトップに使えるくらいきれいなものを何とかツテを使って探してもらいました。

それを持ち込んだわけです。



島崎さんがタップトーンを聞いて確かめてくださっています。


秋田杉のギターの可能性はどうでしょうか。

♪ かーん,こーん。


(≧∇≦)b OK!



なんと! かなりいけるかもしれないというのです。


\(◎∠◎)/オウ~ビックリデース



この秋田杉の話は,一人のギターおたく通信の読者で,製材所で働くテルさんから寄せられた1つの興味深い情報が発端だったのです。


「イサトさんが海外で日本のギターを使いたいというけど,実際素材はすべて,外国産の物を集めたギターで日本のギターというのはいかがなものか」というのです。そして,「叩くと秋田杉が杉材では最もいい音がする」というのです。


この話には興味をそそられました。


少し前に秋田県に水族館がオープンしました。 そのオープニングセレモニーで私に演奏の打診がありましたが,広告代理店の方は私のことをプッシュしてくれたのですが,最終的には他県からのお客さんが多いということで,お役所の意見により民謡になりました。(第3セクターだから)


(T_T)シクシク


でも,その時にもしも,「秋田杉のギターで演奏するギタリスト」ということになれば,これまた違った結果になったかもしれません。


秋田でのイベントは呼ばれやすくなるかもしれませんし。


秋田県の経済に貢献するかもしれませんし。 そんなこともあり,秋田杉のギター大変に興味があります。


この板はかなりいいかもしれませんが,あと5年は寝かせる必要があるというのです。

o(T△T=T△T)oジタバタ


5年後のギターオーダーが楽しみです。



それで皆さん,どこかにあったらでいいのですが・・・。


(1)5年以上自然乾燥した,(2)柾目で, (3)白目でも赤目でもいいので,全体がどちらか一色の単板で, (4)サイズは最低,横が220ミリ×縦が650ミリで,  (5)厚さは4ミリが二枚でも,12ミリが1枚でもOKです。


もちろんサイズはもっと大きくてもOKです。 そんなモノが見つかったらぜひご一報ください。(それで高価でなければですよ)

ププッ ( ̄m ̄*)



さて,皆さんはスプルース(松)とシダー(杉)の板を叩いてみるとどんな音がすると思いますか。

どっちがシャープな高音質な響きがあると思いますか。


なんとなく,ギターの音から想像すると,シダーの鳴りはクラシックギターのようになんとなくやわらかい気がしますよね。


インゲルマンスプルースのギターとかは繊細な倍音が出るので,スプルースの方が高音質な気がしますよね。



これがイメージから来る誤りだったのです。

実際にスプルースを叩くと・・・・。


♪ ぼーーーん

(」゜ロ゜)」 ナント!!



インゲルマンスプルースを叩いてみせる島崎さん。


 ぼーん。ぼーん。


次にシダーを叩くと・・・。

♪ カーーーン!

( ̄□ ̄|||)がーーん!



シダーの方が高音質だったのです。



サイドバックとの組み合わせ,そして,弦の選択などで出てくる音は違うのでした。


シダーは本来は硬めの音がするものだったのです。





これはすでに接着されたシダートップです。カーンといい音がしました。


そうすると,やはり,ローズをサイドバックに組み合わせて深みを出して,やはり,セミジャンボでウエストを絞った形にして高音と低音を求めるのがいいような気がします。

それに,自分に合った幅とシェイプのネックを合わせたら,まさに理想の一本ではないでしょうか。


(≧∇≦)b OK!


いつか楽器店で「トップ秋田杉使用」という表示がついたギターが出るかもしれません。

いつの日か秋田杉のNIIOKAモデルを持つ日も来るかもしれませんね。



さて,調整の話です。

すでに二年も経ったスタジオMのNIIOKAモデルはついにフレット磨り合わせが必要になりました。ついでにプロにナットサドルも作り直してもらおうというのです。



島崎さんはなぜそうするのかを説明してくださるので,大変に勉強になります。

フレットの磨りあわせ方でアメリカの有名リペアマンの方法など教えていただきました。当然,エレキと違ってただ平らに磨り合せてはいけないんですよね。アコギですから。



ありがとうございます。! (*^ - ^*)ゞ ポリポリ




島崎さんの説明の中で,非常に興味深いモノがありました。

ネックのロッド調整に関する話です。

どこのショップでも弦を張ってからロッドを回して,6弦の1フレットと14フレットを押さえて6フレットの距離を見るというのが普通だと思いました。

私もそうしていました。


ところが,最初にまずは弦をはずし,ロッドによってネックをまっすぐに調整して,それから弦を張ってみるというのです。


これによってそのギターのネックが今どんな状態にあるかを知るというわけです。


弦に負けるくらい弱いのか,全く反らないギターなのかなどなど,ネックに関する多くのことを知るためには弦をはずして,まっすぐにしてから弦を張るべきというわけです。

( ̄ヘ ̄;)ウーン 確かに。


そのギターの標準とかを知ってからいじるのがやはり本当でしょうね。

私は最終的には弾きやすさを求めるので,結局弦を張った状態で同じ反り具合に持っていってしまうのですが,勉強になりました。


ギターオタクな時間はあっという間に過ぎて行きます。 もう帰る時間になってしまいました。



本当に素敵な工房でした。 いい環境からいいモノが生まれますよね。


デュアルNA-NICOの音も聞いていただき,NICOの音質もクラリオンのミニPAの音も褒めていただきました。



アメリカ仕込みの経験と技術が那須のログハウスで,日々いい音を作るために注ぎだされているんですね。



後日,私のスタMギターが戻ってきました。

調整後のこの音はすばらしいです。


ナット&サドルの仕上げは,グレーベン的な感じが少しします。


例えが難しいのですが,コンクリート打ちっぱなしの壁ようですが,その面は完璧に揃っているというか,ツルンときれいに磨かれて寸法はいい加減というものとは違います。


こういう美しさもあると思います。


弦高もシビアに合わせてくださいました。 私が望んだ弦高そのままです。

さすがです。


あまりにシビアでいじる所がありません。いじったら狂うでしょうね。



栃木県は那須にあります,AGRでした。 リペアで困ったら相談してみてはいかがでしょうか。