マーチンOOO-28ハカランダモデルの試奏記です。 どれくらいハカランダは違いがあるのでしょうか。
このギターをよく見てみましょう。
少しギターに詳しい人なら,「これはOOO-28 エリック・クラプトンモデルでしょ」と言うかもしれません。
確かにそう見えます。
でも,もっとマニアになると「ちょっと待て」となります。
クラプトンモデルとサドルが違います。
ビンテージタイプのロングサドルになっています。
さらにさらに。
指板にエリック・クラプトンのサインがありません。
( ̄~ ̄;)ウーン・・・
このギターはなんでしょうか。
さらにさらに。ヘッドの板を見てみましょう。
なんだか床の間風の模様の板はなんでしょうか。
そうです。ハカランダです。
ブラジリアンローズウッドのモデルです。
サイドもバックも見てみましょう。
ぱっと見はクラプトンモデルと変わりないのですが,値段はかなり違います。
クラプトンモデルが実売30万とすれば,おそらくこれは100万はすると思います。
(; ̄Д ̄)なんじゃと?
実はネックも違います。
44.5のVですが,スケールはOMです。
OOOよりもテンション感があります。変速チューニングもOKなモデルなのです。
やっぱり,マーチンの箱鳴りはすばらしいものがありますよね。
でも,サイドバックがローズのモデルでも,もうすこし高音の切れ味が欲しくなったりするくらい音色が太め甘めに聞こえる時がマーチンにはあります。
マーチンから高音を引き出すにはやはり,素材を硬質にするのが良いと思います。つまり,ハカランダです。
クラプトンモデルと見た目にほとんど違いがありませんが,音はどうでしょうか。
♪ ポロローン
(  ̄O ̄)ホー
いいですね。
すごい!という感じではないですが,渋いよさがあります。
音の深みがあります。通な部分の違いですね。
実はいつもの私の部屋で弾いた時はそれほどすごさがわからなかったのですが,フローリングの床の部屋で演奏したときには確かに違いがあります。
音が遠くに届く感じがします。
明らかにローズやマホよりも音の伝達がいいです。
クラシックギターを弾く人たちは「側鳴り(そばなり)」と「遠鳴り(とおなり)」という表現を使うようです。
近くで聞いた時にバランスがいいギターと,マイクを使わないホールで客席から聞いたときにバランスがいいギターがあるというのです。
側鳴りのいいギターはレコーディングに使い,遠鳴りのするギターはコンサートで使うというように使い分けるようです。
ハカランダはこの遠鳴りに非常に良い素材なのかもしれません。
それで,狭い部屋やスタジオなどの直接音のみで判断するとそのギターの真価を把握できない場合もあるかもしれません。
この音は非常に玄人向き,ギターオタク向きの音です。
もしかしたらギターオタク以外の多くの人はフォルヒのG23CRと比べたらフォルヒの方がいい音と判断するかもしれません。
また,クラプトンモデルとの違いを感じられるかどうか。
これは一般の聴衆にはわからないかもしれません。年中ギターの音を聞かされているうちの嫁さんも,たぶん,一回では分からないでしょうね。
それなら,それ以上の価格をギターに出すことは自己満足の世界ということになるでしょうか?
もしも,聴衆を中心に考えれば,マーチンビンテージシリーズとか,フォルヒですでに十分なのかもしれません。
もしかして,OMサイズだからあまり違いが出ないともいえますよね。
もともとサイズが小さければ,共振は高くなり高音が出るのですから,ドレッドの方がハカランダの意味が大きいような気がします。
それでも,だれがなんと言ってもこのわずかな鳴りの違いに大金を出したくなるのがオタクの世界なんですね。
v(ー_ー)チッチッチッ
おんな子どもにゃわかってもらえねぇ世界があるってことよ。
注意:女性でハカランダの違いがよくわかる方へ
(大変ご無礼をいたしました。秋田ではこういう時「あいーブジョホした」と言います。おそらく不重宝=不調法の転訛ではないかと思われます。)
では,ドレッドのハカランダはどんな感じに鳴るんでしょうか。
次のレポートをお楽しみに。
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