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アコギ基地(旧店舗) 訪問記


栃木県は氏家という宇都宮の近くにあります。 アコギ基地にお邪魔しました。旧店舗です。 沖井オーナーの情熱が伝わってきますよ。



栃木県は氏家町という宇都宮から約30分ほどの所になんでもアコギをものすごい数抱えたショップがあるという。

HPをみるとその置いてあるギターもまた半端ではないのです。



マーチンD-50までもがラインナップされていて,その他にもソモギからグレーベンから,とにかく何でもあります。



これほどの在庫があるショップなら,一度訪ねてみようということで,2002年の年末におじゃましました。


電話で時間を打ち合わせてショップにたどり着きましたが,看板がありません。



これが本当にアコギ基地なのでしょうか。



中に入ってみると・・・



 (ノ°ο°)ノ オオオオ 



本当にアコギ基地でした。


ギターに情熱をもったオーナーの沖井さんが向かえてくれました。



L字型の場所にアコギが所狭しとあるので,写真には写りきれません。


しかもここにあるのは全体の半分以下で,その他のギターはもうひとつの場所に湿度管理されて保管されているというのです。

(」゜ロ゜)」 ナント!! 



この量はすごいです。



これでは,とてもとても1回の訪問で弾いてみたいギターすべては無理です。

いろいろと眺めてから,ここでしか弾けないであろうギターを選びました。


1本目はMATON(メイトン)です。これは知る人ぞ知る,トミー・エマニュエルモデルを作っているメーカーです。

日本のインタビューアーに対して,メイトンをトミーはオーストラリアのヤマハだと紹介しているようですが,どんなものでしょうか。




♪ ジャラーン  


なるほど~  これがメイトンか。


良く響いて,音にハリがあって,テンションがあるので,フィンガーピッキング向きでしょうか。

軽めでいい音です。


以前に弾いたことがある,K’zギターのようなサウンドです。 あれはマホガニーでしたが,これは?


オーストラリアのシルクウッドというあまり他にはない木のようです。 とにかく軽くてレスポンスのいいギターです。

(後でメイトンのHPで確認したら,オール単板ではないようですMaton Guitars - Australia


これで,アコギ基地価格で10万円だそうです。


新素材を使った,ナットなど作りもギター専門メーカーではないのに研究しているとオーナーは言っていました。



関心している間もなく,次のギターが気になります。

これは普通のD-28ではないと見ました。


とにかく,音を聞いてみます。


♪ ジャラーン

(ノ°ο°)ノ オオオオ



これは違います。!!! 音が き・れ・い です。



なにやら,70年代のアメリカンフォークのレコードに録音されているギターの音のような本当にきれいな鈴鳴りがします。


たしかに,マーチンD-28の音の傾向にあるのですが,出てくる音は現行の商品とは全く違います。


あまりに違うので,どうしてなのか尋ねてみました。 オーナーが言うには「1946年製のモデルで,アメリカのプロギタリストがツアーで使っていた道具としてのギターである」とのこと。

なるほど,ビンテージギターに走るマニアがいるわけがわかるというものです。


そう言えば,リンテンさんのOOO-28も46年製だったかもしれません。

リンテンさんの楽譜集に書いていましたが,あるレコーディングミキサーがどうして,アメリカのレコードのようにギターの音を録音出来ないのか,マイクの位置などを調整してもだめだったけど,リンテンの46年モデルのOOOの音を聞いて「何のことはない,ギターの音そのものが違うのか」と理解できたという話が載っていましたが,それは本当だと思います。



私はついつい聞いてしまいました。これはいくらでしょうか。

(*^_^*) はい, 98万です。

ワオ w(°o°;)w   

やはり,それくらいするのか。(注:後で聞いたらこの値段ならかなり相場よりも安いようです。)


しかし,60年前のくたびれたギターに100万出すのはかなり勇気が要りますね。

オーナーの沖井さんは本当にギターが好きな人でした。


そして驚くのは電話がなり続けることです。話が出来ないので,途中で取れなくなったほどです。 もしかしたら,ギターの流通量は日本一かもしれないと言っていました。(個人のショップでだと思います)


その話の中で,テンションのことが話題になりました。 最近の良いといわれるギターはほとんどテンションが高めになってきているが,実際にアマチュアが弾く場合はそれによって,本当のギターの音を発揮出来ないのではないかということでした。


この点で全く同感でした。 ラリビーもコリングスもテンションはややキツメです。 もちろん,これがいい音にもつながっていますが,毎日ある程度の時間弾ける人ばかりではないと思います。


そこまで,指が鍛えられていないのに,テンション高めでは長い時間弾く事も出来ないのでは?

本来の音を出せないまま,評価してしまわないか?


と思います。(その点では,テンションやや緩めのスタジオMギターはやはり良いと心の中で思っていました。)



他にも興味深い話で,板の好みの話がありました。

板の好みが時計のようにどんどん変化していくというのです。

(  ̄O ̄)ホー


最初は12時頃,ハカランダがいいと思い,次にやはりローズウッド3時頃に行き,今度はマホガニー6時頃に行ってから,9時頃最近はメイプルがいいと思っていますということで,今度ショップオリジナルのメイプルのギターを製作したいそうです。


また,フィンガーピッカー向きのギターを推薦してもらったら,迷わず,「トンプソンです。」と言われました。


同じカナダのラリビーと比べてどうですかという質問には,

「同じ値段なら,ラリビーよりも品質が上でしょうね。」

「作りからしたら,非常に良心的な値段の設定です。 何でも,トンプソンは家族でギターを作っていて敬虔なクリスチャンだかららしいです。」

とのことでした。


トンプソンはドルフィンでも薦めていたギターです。同じように値段からしたらいいギターという評価でした。

「トンプソンのT-3が別の倉庫にありますので,帰りにまた,よって試奏していかれたらどうですか。」という事でしたが,スケジュールの都合でできませんでした。



いつかまた弾いてみたいギターです。


ここでしか弾けないであろう,マーチンD42カスタムで,遠山の金さんのようにぎらぎらぎらとインレイの入りまくったガラスケース入りのものも試しに弾いてみました。それは,サドルの形とか削り方などを見たかったからなのです。



ビンテージもののギターを評価するのは非常に難しいです。 これもかなりの値段のギターのはずです。


オーナーが言いました。

「ギターの評価は,人と同じで短い時間ではわかりませんよ。

少し時間が経ってから弾いてみればまた,変わる事がありますから。」


「時々D-28を2,3本弾いただけでそれについて詳しくHPなどに書いたりする人がいますが,それだけで,すべてと思って信じてしまったら少し残念ですね。」


全くそのとおりです。

ギターもいわば絶対音感のように比べるものなしで,以前の音を記憶していることはほとんど無理ですので,多くの人はイメージの方が実際の音よりも自分の中で大きくなってしまう事が多いとも言っていました。


やはり,自宅で自分のギターと比べて何日間か弾き比べられるという条件が最もいいということになりますね。

それで,アコギ基地では3日以内だと返品が出来るようになっています。

弾いてみたいと思うものがあれば,送ってもらってから決める事が出来るというスバラシイシステムですね。


わざわざ遠くから来られたということで,御土産に皮製のカレンダーをもらいました。



本当に毎日ギターに囲まれた生活をしているアコギ基地でした。

これが,東京ではなく栃木県の氏家というところがいいですね。


また,行ってみたいと思うお店でした。


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