倍音入りギターこそ究極だ! その3 豊かな倍音と心地良い鈴鳴り

最終更新: 6月24日


Ayers OTS オーバートーン・システム


ギターの弦を弾いただけで、オクターブ上の倍音が聞こえるいわゆる、マーチンD45のような倍音入りギターを作る方法を長い事考えて来ました。


そのために、新しいギターもビンテージも、マーチンD-45、OOO-45、OOO-42もエム・シオザキのカスタム・ギターもウクレレも弾いて参考にしました。それでも長い事ギターに倍音を入れる方法を解明出来ませんでした。



というより正直に言いますと、一発聞いて倍音入りギターかどうかを判断するのは、当初私も難しかったのです。経験を積んでようやく耳がこの部分をすぐに判断出来る様になりました。


人によっては「どのギターにも倍音があるでしょう」というかもしれません。



もちろんこの意見も正しいのです。どのギターも整数倍の倍音が出ていると思います。しかし、OTSオーバートーン・システムはそれだけではなく、弦を弾いた1秒後に2倍音、2秒後に4倍音が聞こえてくるのです。



1弦開放 330Hz を弾くと660Hzも聞こえてくるのです。つまり2倍音



さらに660Hzの倍の1320Hzも出ているのです。つまり4倍音


この「音色の特別な変化こそ楽器を別の次元に引き上げる」ほどの魅力を持つと思っているのです。つまり倍音が入っていると言っていますが、正確に言うと「1秒後に2倍音、2秒後に4倍音が聞こえるように変化する倍音が入っている」という長い表現が正確かもしれません。Ayers OTSにはこのような倍音の変化があります。


それに関しては以下の動画をご覧くださいませ。




OTSオーバートーン・システムの動画


全ての弦がこのように響き合うのですから、単音でもコードでも音の響き方が違います。マーチンのウクレレstyle-5にはKOAもメイプルもマホガニーもあるようです。倍音入りのギターはマホガニー材を使ったとしても楽器として別物と感じるほどインパクトがあると思います。

またマーチンとAyersOTSを比較するとOTSが優れた面があります。D-45,42のギターにピックアップを付けたら、なんだか音が変わってしまったという感想を聞く事があります。D-28にピックアップを付けた時はそこまで変化を感じなかったのに・・・という話も聞きます。

45,42はピックアップ付きでマーチンが販売しているのを私は見たことがないのです。つまりアコースティック・ギターとして完成しているので、完成した状態にあるギターに幾らかでも重さのあるピックアップや電池を本体内部にに取り付けると、やはり本来のバランスが変わってしまいます。Ayers OTSはピックアップの重さを考えて搭載出来るので、ピックアップがあってもバランスが取れています。

倍音が入ったサウンドのまま、スーパーナチュラル・ピックアップからライン出力が可能になるのです。これはマーチンにはない概念のギターつまり、倍音入りのエレアコとして高度にバランスしていると思います。なので45,42のユーザーの皆様はピックアップはギターに取り付けず、SKYOSONICのWL-800JPなどワイヤレスのピックアップをライブの時だけ使うという方法が、最も本来の生音を楽しめる方法ではないかと思います。ESNスーパー・ナチュラルピックアップ搭載で、さらにOTSオーバートーン・システム搭載のAyersギターならピックアップからラインで倍音が入ったサウンドを出力出来るのです。

しかし、今思えばOTSに至るまで私もいろんな実験をしたので、その時々の失敗もギターの音に関わる別の要素を理解するのに役立ちました。それらひとつ一つの経験がギターの音を分析する要素になったと思います。

ギターの音質を分析、判断する要素はいくつかありますが、その中でも倍音が入っているかどうかは、かなり大きな要素になると思われます。もちろん、倍音が入っていないギターでも良い音楽は作り出せます。

ブルー・グラスとかカントリーのフラット・ピッキングの曲ではD28,D18のレスポンスの速さが必要になるかもしれませんし、弾き語りの際にはボーカルを邪魔しないシンプルなギター・サウンドの方が自分の声に合いやすいという場合もあるかもしれません。





ただ、ギターの音質という部分で比較すると、圧倒的に倍音入りギターが良いと感じるのです。塗装の種類や、ナットサドルの調整方法、弦の選択、ボディ・シェイプやトップ・バック素材の違いを上回るほど大きな要素とも言えます。

なので、リード・ギターやソロ・ギターとしてギターの音色を中心に楽しむ音楽の場合は、倍音入りのギターが圧倒的に良いと感じるのです。マーチン・ギターの人気再燃に大きく貢献した、アンプラグド・ブームを作ったエリック・クラプトンのライブで使ったギターがビンテージのOOO-42だった事は偶然ではないように思えるのです。(確か1939年製だったと思います。シリアル1番違いを弾いた事があります。)やはりマイクで拾った倍音入りビンテージ・マーチン・ギターの音は人を惹きつける何かがあったと思うのです。


もしもアンプラグド・ライブがこのようなピックアップから出た、ピエゾ・サウンドだったらここまでのヒットにならなかったかもしれないと私は思うのです。



もしクラプトンのファンが彼のテクニックをライブで見て楽しむためには、ピックアップ・サウンドでも良いと思います。でも、CDにして映像なしでギター・サウンドそのものを楽しむという意味では全く別のサウンドだと思うのです。


ギターの音には3種類あると思います。 1生音、2CDの音、3ライブの音です。CDの音とは多くの場合「コンデンサーマイクで拾った音」を指します。ライブの音とは多くの場合「ピックアップから出て、ライブ会場のPAから出てくる音」と言えます。

ともあれ、クラプトンのアンプラグド以降アコースティック・ギター人気はさらに加熱し、マーチンの生産台数も増えて行きます。これに貢献したのはクラプトンのアンプラグド・コンサートであり、その音質はマイクで拾った豊かな倍音と心地良い鈴鳴りの1939年OOO−42なのです。

私はその昔ギター販売のみならず、ピックアップの取り付けや調整とリペアを受けていましたので、毎年相当数のギターをチェックしていました。その後Ayersの総代理店になってから、すでに400本以上のギターを作りチェックして来た計算になります。ギター製作はリペアとは違うレベルで結果を学べるのが良い点なのです。

毎回のギター製作で僅かに改良を加えていて、それが音に与える影響を知る事が出来るのは、ギター製作の非常に大きなメリットであり、貴重な経験です。実験を繰り返さないと見えて来ない事も沢山あるのです。

例えばバインディングの素材がセルとウッドで音は違うのか? その厚みが違うとどうなるか? ボディの深さがわずかに違うと音にどのように影響が出るのか? ブレイシングが細く高いのと太く低いので音はどのように違うのか? ネックにカーボンの補強を入れると音はどのように影響を受けるのか? なぜアコギソロのライブの音作りにコーラスとリバーブを入れたくなるのか? サイドバックの素材の傾向やトップの素材の傾向、さらにそれら材料の相性も数をこなして初めてわかってくるのですね。

その際には良し悪し、好き嫌いというだけの単純な観点ではなく、これは何に向いているか?なぜこれを良いという人がいるのか?これのメリットは何か?をいつも考えるようにしています。

ギターを作る際に分析する要素をいくつかご紹介いたします。

1 音量の大きさ

2 バランス

3 ハーモニーの美しさ

4 遠達性

5 レスポンス

6 リバーブ感

7 揺れ感

8 特別な個性

その4へつづく


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