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倍音入りギターこそ究極だ! その1 D-45が多くの人を魅了する

更新日:2020年6月24日


マーチンD45は日本でも世界でも多くのギター弾きを魅了して来ました。


代表的なD45のプレイヤーはCROSBY, STILLS, NASH&YOUNGかもしれません。

1970年代に日本では加藤和彦、ガロ、石川鷹彦が使っていたので有名です。



それでは、ニール・ヤングのD45の音を聞いてみましょう。最初から 1分30秒ほど進めても良いかも。


他にもリアルに45の音を録音した動画もあります。


多くのギターファンのみならず、少なくないギター製作家もこのサウンドに魅せられて来ました。


このマーチン45サウンドの秘密を解明した人は世界でもほんの僅かしかいないと言われています。マーチン45シリーズだけが持つリバーブのかかった様なサウンドは一体何が違うのでしょうか?


例えばD45は最高峰の材料が揃った時だけ作ると言われていました。確かにそうかも知れませんが、別の要素がもっと重要だと思われます。


なぜならマーチンD28でも最高級の材料で作られたカスタムが存在しますが、45の音はしないからです。私もロサンゼルスのギター・センターでそういう比較のチャンスがありました。

左の手前がD45で2つ隣がD28GE


キレイな中古のD28GEブラジリアン&アディロンの限定モデルと通常のD45つまりシトカとインディアン・ローズの普通のD45の比較です。どちらも実売価格が110万円相当です。どちらが良いと感じるでしょうか?

D28GEは高級な28の音がします。45はインディアンとシトカでも45の音がします。

45は45の音がして、28は28の音がします。これが現実です。28を弾き続けても45には決してなりません。ここを誤解している人もいるかも知れません。





この他に1940年頃のD28でアメリカのプロ・ミュージシャンが使っていたギターを弾いたことがあります。鳴りとレスポンスはすごいものでした。でも、結局は凄く抜けの良いD28なのです。何年弾き込んでも28は28のサウンドなのです。


45サウンドの秘密が材料ではないとすれば、作り方に違いがあるはずです。


外見上45と28の違いは、45シリーズは指板の14-20F周りにアバロンのパーフ・リングを入れるために、サウンドホールの位置がブリッジ側に3mm下がり、エックス・ブレイスの交点も6mm下がると言われています。


でもそういうギターを作ってもD45の音は出ませんでした。つまりサウンド・ホールの位置も、エックスの交点の位置も、45の倍音豊富な音とは関係がないと言えます。D45の音の秘密はいったいどこにあるのでしょうか?


マーチン研究家として有名なギター製作家、エム・シオザキ弦楽器工房の塩崎氏は外見だけではなくD45のサウンドをコピー出来た人として知られています。多くのギターメーカーは外観的にD45をコピーしていますが、サウンドまでコピー出来た手工家は、世界的に非常に少ないと思います。エム・シオザキが作ったD45コピーモデルの音を聞いてみましょう。

D45のように弦にリバーブ感があるのが感じられるでしょうか? 塩崎氏はこれを「ギターに倍音が入っている」と表現します。


では倍音が入っていない音とはどのようなものでしょうか?

同じエム・シオザキのD-18コピーモデルと比較すればそれがわかります。


これが私も含め多くの人がアコギとして聴き慣れた音かも知れません。


それでは、ギターに倍音が入っているかをチェックする方法ですが、塩崎氏の説明を参考にして解説いたしましょう。まずは1弦を弾きます。1秒後にその音がオクターブ上の倍音に変化するかどうかです。


倍音が入ってないギターは弦を弾いた後の基音(弾いた時の音)がそのまま時間と共にただ減衰するだけです。

しかし、倍音が入ったギターは耳を澄ませると、弦を弾いた後、約1秒後にオクターブ上の音、そして、さらに1秒後にもう一つオクターブ上の音が聞こえてくるのです。


((((;゚Д゚))))))) ほぇ


開放弦を弾いた後、1秒後に2倍音、2秒後に4倍音が聞こえてくるという事になります。


あなたがもしもマーチン45,42シリーズを持っているのであればここに注目してギターの音を聞いてみてください。


倍音が入ったギターの音は高音まで音が伸びていますので、いったん倍音が入っているギターの音に耳が慣れると、音の抜けと厚み、ハーモニーの美しさなど、倍音なしのギターが少し篭ったような薄い音に聞こえてしまいます。


皆様もこの基音と倍音という方法でご自身のギターも聴き比べてみてください。

コレクションの中に倍音入りのギターがあるでしょうか?


その2へ つづく









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