2015-10 上海楽器フェア ミュージックチャイナ

最終更新: 2018年10月24日

10/14-上海楽器フェアがありました。 今年の上海はまた特別でした。中国のギターブームが新しい時代に入りつつあると感じましたよ。


Music China EXPO 上海楽器博覧会2015! この熱気,この音量,この規模 そして多くの若い世代 新しい時代に入りつつあると感じました


2015-10-14~上海の楽器フェアいわゆるミュージックチャイナがありました。

今年のフェアを通して私は新たな時代に入りつつあることを感じました。

中国人ギタリストの演奏と音質に最も感動したからなのです。これはあとで解説するとして,まずは全体から見ていきましょう。

メインゲートをくぐると右側がE号館,左がW号館です。E5までの道のりが結構あります。 アコギはW1,W2に結構ありますが,電子楽器のコーナーはE5なのです。


E5,E6は激戦区でもあり,ZOOMやRolandなど音量が出るブースが周りにあります。

そこでアコギを鳴らすわけなので大変なのです。

出来るだけ裏通りのE5の外れの方に行って他のブースのバンドが始まってもここで演奏が聴けるようにしたいと思いますが,今回は隣のバンドがあまりに音量が大きくそれを避けながら演奏する感じでした。

リハが始まるとあっという間に人が集まりますよ。

世界を股にかけるギタリスト谷本光はさすがで短時間で音を作りあっという間にライブをします。

予想以上に周りの音量があったために,借りたPAのパワーが足りずアンプがほぼ全開になってしまうという状況で,ピークでは音が割れてしまいます。

(T_T) ウルウル

年々音量が上がっていくと最後はどうなるのか?

この手前にいるアフリカ人のJOJOも通訳として参加してくれました。

彼はアフリカンドラマーなのです。

PRO1ならこういう叩く音も拾えるのでした。 私がipadで撮っているのですが立ち位置がスピーカー側にいなかったので音が小さくですみませんです。

この日はテレビの取材も入りました。一つはニュースですが,もう一つは谷本光のドキュメンタリーでした。

上海の放送局が谷本光のドキュメンタリーを作っている過程で私にもインタビューがありました。


どんな風に放送されたかは謎です。

(* ̄m ̄) ププッ

中国ではテレビのインタヴューアーもリュックですね。便利ですよ。

スカイソニックの社長が手にしているのは,SUNSTORMという新しいメーカーのギターで谷本光がエンドーサーをやっています。

中国のギターは見た目がいいですね。手工品のようなデザインで,メイプルのバインディングが巻いてあり定価が12万くらいでトップ単板,サイドバックが合板みたいな西側のギターに対する理解からするとあり得ないのですが,単板と合板の違いをどれくらいの人が知っているかとなればそれも有りなのでしょう。

まあ2本目のギター選びくらいの位置づけで考えてもらえばいいかもしれませんね。

上海楽器フェアには有名なギタリストも結構来ますよ。

Thomas Leeb

彼にもプロワンを差し上げました。なぜか?

実はこの野外ステージがなかなか厳しい場所で,30分に一組ずつ出演ですが,5分で演奏を準備して20分演奏して5分で去るというスタイルです。

そうなると,システムが複雑な人は音が出たら即ライブ開始になります。

残念ながらThomasのシステムも複雑で別々に3WAYアウトのようです。 これを5分で会場に合わせてセットするのは大変ですね。

会場で音を作る時間が十分にないという環境では簡単なモノラルアウトのピックアップがいいのではないかと本当に思います。 プリアンプでちょっといじれば1,2分でOKみたいなのが理想ですね。

目的は音を作ることではなく,その日のライブつまり音楽会であり演奏会ですよね。

ぜひ場所に応じて簡単なシステムでも音を作ってライブはきっちり仕上がるというのが本当のプロのように思うのですね。

今回は岸部さん住出さんがNAGAギターの招待で来ていたのです。

NAGAのインブリッジでも文句を言わず演奏する岸部さんはさすがです。

あっという間に人だかりができます。超有名人の一人ですね。

岸部眞明ギター教室なるものが開催されて,一緒に写真とサインが出来るとなれば大変なものです。

近づくことさえできません。

なぜか日本ではなく上海でお会いしました。

夜にNAGA主催のオールスターギターナイトが開催されまして,それに行ってきました。 それはまた後程レポートいたします。

ネット上で有名な人の演奏も実際に見れたりします。

会場で見つけた面白そうなものも紹介しましょう。

エレキギターバッグ!これを斜めにかけていればまるでギターを弾いているかのように街を歩けますね。

JOYOといういろんな商品を作っているメーカーからですが,栓抜きと,ブリッジピン抜きと,カポが一緒になっています。

ブリッジピン抜きまでは理解できますが,なぜ栓抜きなのか?

外で中華BBQをして瓶ビールを飲む時にカポを持っているという場面があるのか?

いずれにしてもカポと栓抜きというのは非常に新鮮でしたが開発意図が最後までわかりませんでした。 最初から意図がないという可能性もあります。

(* ̄m ̄) ププッ

夜は上海の芸術文化センター内のホールでオールスターギターナイトがあり行ってきました。

会場は先日押尾コータローライブもしましたが,素晴らしいです。

こんなに音響のいいライブハウスは日本で言えば,ZEPPとかブリッツのクラスですね。

昔の横浜ブリッツほど大きくないですが,入り口で飲み物を買って中に入ってライブを聞けるという中国にいるとは全く感じない素晴らしい会場です。

ウクライナのギタリスト,ビタリイ・マクミンです。

タッピングですべて弾き切るのですが,リードプレイの際の音色のきれいさに感動しました。 ピックアップとか機材の前にすでに演奏レベルが高いことを感じられます。

2人で演奏した際のメロディーが本当に歌っているかのようですね。

マクミンはNAGAギターのインブリッジにマグネチックを合わせてマグとピエゾのいい所を使って音を作っている感じがしました。

SUMIDEさんのジョークが英語なのですがわかりやすく,超面白いのです。

上海楽器フェアのメイトンブースにトミーが来てサインをするといううわさがあったのですが,みんなはトミーはいつ何時に来るかとこの日は待っていたのです。

そこで,住出さんの話は「今日の昼,一人の中国人が近づいてきて,あなたはトミーですか?って聞かれたんだよ。」

あり得ないけど噂好きの中国人でトミーを見た事がないけど話題に乗り遅れまいとする人が本当にいそうでおかしいのです。

「ぼくはトミーじゃないよ,チョン・スンハだよ。って答えたら相手は,今日はなんていい日なんだ チョン・スンハ に会えるとは!って言ってたね。」

日本ではあり得ない会話ですが,中国ではあり得そうでおかしいのです。大爆笑でした。

そして,その後の演奏はとてもカッコいいグルーブ感で,日本人離れした演奏で感動ものでした。

大トリは岸部さんと住出さんのデュエットで感動もののウォーターイズワイドでした。

終わるとサイン会ですが,凄いのは若い人があふれているのです。

日本の昔の70年代フォークのように今中国でフィンガーピッキングブームが来ているような気がしました。

新しいムーブメントの波が今来ているような感じですね。

でもこれらの流れを作った中で中川イサトの役割が中国でも大きいのです。 やはりイサト師匠をリスペクトする必要がありますね。

最初に台湾でイサト師匠のビデオCDみたいなものが作られて,それが中国本土にも入って行きそれらの影響を受けた人が見よう見まねで叩き系ギターを始めていたところへ押尾コータローの出現という流れだと思います。

毎年日本から若手のギタリストが中国大陸へ演奏に行っていますが,純粋な音楽会になるとチケットが高くてやはり一部の人の音楽になってしまいます。

そうなると底辺が広がりません。すそ野が広がると頂点が高くなるというのは真実ですね。 つまりレベルが上がって行くという意味です。

それでスカイソニックは多くの場所で無料で谷本光ライブツアーを提供し,楽器店がライブを主催出来るようにマニュアルを配布し,楽器店に集う生徒や父兄が家族みんなでギター音楽を楽しめるように努力しています。

ある場所では親類縁者や友人,知人までも来て600人規模のライブもやったと言います。

※追記 2016年5-8月にスカイソニックは谷本光ライブを中国各地で提供しその規模は最大5000人の野外ライブもありました。2000人規模のものも少なくありませんでした。マニア向けに小規模のライブを企画するのも一つのあり方ですが,子供の頃に家族で谷本光ライブを見た記憶が鮮明な人が学生になってギターを手にして欲しいと願ってスカイソニックはすそ野が広がるような活動をして行きたいと思っています。

何はともあれ日本はギター文化の先輩なので先輩から見れば後輩のやる事は危なっかしくて見ていられないという部分もあるかもしれません。

でも,ギター音楽に触れて感動する比較的シンプルなオーディエンスが中国に沢山いることは間違いありません。

この日スカイソニックの臨時スタッフだったミンミンさんがサイン会で岸部さんに片言の日本語で言った言葉が印象的でした。

「今日はとてもカンドウしました。心にボンボンボンって来ました」

epasや ビビッドフォーカスで有名な熊本のエフェクターメーカーPAS(ピーエーエス)主宰 中本さんもこの中国でのギターブームを目の当たりにして感動したようでした。

私は上海楽器フェア2回目なので少し余裕がありますが,1回目の人にはインパクトが強いでしょうね。

(^ー^)

また会場に戻りましょう。

空いた時間でわたしも少し演奏させて頂きました。

PRO1とビビッドフォーカスがあればどこでもやれる気がします。

私のCDアルグム2の在庫が無くなってしまいました。

そして,優秀録音盤を作り続ける赤坂工芸が少し前にPCとソフトををグレードアップしたことで,新しいバージョンのソフトが使えるようになり,以前の音源をリマスタリング出来るようになりました。

そのリマスタリングのアルグム2を聞いたら昔のアルグム2よりもさらに凄いのです。

同じ音源なのに編集ソフトの違いでここまで音が違うのか?と感じるくらい違いのです。

昔のアルグム2がオーディオ雑誌の録音評価で9.8点でしたが,今の音源だと何点が付くのか知りたいくらいです。

それで,アルグム2のリマスタリング版を紙パッケージで安く出して中国仕様にしたものがあるのです。

一回演奏が終わると記念にそのCDを買って下さる方が少なくないのです。

これらも中国ツアーのメリットの一つですね。

今回のスカイソニック目玉の一つは13歳のマレーシアのギタリスト メルビンです。

マレーシア,シンガポールでは非常に有名人です。テレビにも良くゲストで出演していますし,彼はライブの規模が違いますよ。

2000人規模の場所でも演奏すると言います。 彼のギターを調整してPRO1を付けて上げました。 プリアンプはビビッドフォーカスですね。

彼の出す音はすでにプロの片りんがあります。

ピアノ,バイオンリン,ウクレレ,古箏,二胡にギターと6つの楽器を上手に弾けます。

何というか出てくる音がいいのです。和音とメロディーのバランスがすでにいいのです。プロの音がします。

そして,音にもこだわりがあって,PRO1のボールピースをわずかに調整してくれと何度も来るのです。

さらに,ディレイの使用を勧めたのですが,音が遅れて聞こえてくる感覚が好きではないので要らないというのです。

自分の出す音をごまかしたくないという印象を受けました。非常に正確なピッキングで弾きます。

押尾コータローコピーの世界大会があれば入賞するレベルです。

彼のオリジナルアレンジの曲も「これって押尾さんの曲?」と聞いてしまうほどそっくりなのです。

同じギターで同じピックアップですが,最初の動画は楽器フェア初日の彼の機材で未調整のギターでの演奏です。

そして,3日目に参考のために私の機材つまりビビッドフォーカス,MXR10EQ,スカイソニックリバーブ,キルリンケーブルを使って演奏しています。

やはり音色の太さは大切な要素ですね。

私がこだわりたいところの一つですね。

チャイナギターのトップ単板でもここまでの音が出るというのが素晴らしいです。

70年代の日本はコピー天国でした。 日本のギターメーカーもマーチン,ギブソンをドンズバでコピーしていた時代です。

ビデオもパソコンも最初はコピーで広まって行ったように思います。

今はまだ後輩であるアジアの他の地域ではそういう時期にあり,先輩である日本は次の段階にいるという気がします。

でもコピーから始まって次第に師匠のスタイルとは離れて違ったもの作って行くというアジアの勉強方法と,最初から師匠と別の道を行くように教えられても最終的に次第に師匠に似てくるという欧米の勉強方法とどちらがいいか?と考えることがあります。

でも実はどちらが正解というのではなく,習慣の違いだけの問題なのかもと思えてきました。

(o⌒.⌒o) ウムウム

いよいよ最後に今回の最も感動した出来事です。

コピーではない演奏家の紹介です。ついに中国人ギタリストが自分の意思を持ち始めたとも言えます。

陳亮 チェン2 リアン4 と言います。 ?亮。

彼の楽曲で 楓橋夜泊 フォン1チアオ2イエ4ボウ2 簡体字だと ??夜泊 になりますが,いい曲です。

??夜泊 をイメージ検索するとこういう感じの写真が出てきます。

舟が停泊している何か昔の風景を連想させます。

押尾コータローが弾く線メリを思わせますが,非常に中国のオリジナルを感じさせます。

百度のチャイナが使えれば ??夜泊 ?亮 を検索してみてくださいませ。

そしてもう一人はソン・イーファン宋依凡です。 

彼らは今回マジックギターという手工コピー風のギターメーカーの招待で演奏していましたが,重要なのはギターではなくその機材と音質,そして楽曲です。

ソン・イーファンのサンライズS-2の上にアルミが貼ってありますが,これは携帯の電波でノイズが入るのを防ぐためだと言います。これは見た事がありませんでしたので,新鮮ですね。

凄いのは機材です。

デジタルEQを使っているのです。ベースの帯域にも対応しておりメモリーできるのです。

なんのメーカーなのかと聞くと彼は親切にマジックテープをはがして見せてくれたのです。

とってもいい人なのです。  (⌒^⌒)b だね

ちなみに良い人を中国語では ハオ3レン2 好人 と言います。

今度はチェン・リアンの機材です。

MXR10EQが2台です。マグとコンタクトに別々のEQとエフェクトをかけます。

手前左のEQの使い方が見えますか。

125Hz以下の低音だけを使い250Hz以上をすべてカットしているのです。 これで超低音が出ないコンタクトでも低音を強調出来るというわけです。

それらを上のBEHRINGERのデジタルミキサーへ送りipadでコントロールしているのです。

さらにこれらを送るPAが凄いのです。

ドイツ製HKのPAを自前で持っているのです。

そして低音は18インチのウーハーも備えています。 やはりアコギライブはこの15インチモニターに18インチウーハーが必要な気がします。

超低音域が出ないと本来のギターのレンジを感じられないのですね。

これは日本のアコギライブの主催者も考えるべき点だと思いました。

昔私はもっと簡単な機材でライブを主催していた時代もありますが,やはりこの音を聞いてしまうと何とかライブのその日はプロのPAさんが持っている機材を借りて来るというのも一つの良い方法だと思います。

そして,チェン・リアンとソン・イーファンが二人で演奏した楽曲がいいのです。

「鯨歌」と言いますが,もとはバンドの曲のようです。

後から調べましたら,グランジ系のロックでオリジナル曲を私は最後まで聞けませんでした。

でも彼らのギター演奏を初めて聞いた時に私は少しモンゴルを感じたのです。

後で調べましたら,元のバンドには内モンゴルと中国東北部出身のメンバーが入っていると言います。

私の感覚も少し進歩してきました。

(⌒Θ⌒)ぷぷぷっ♪

ぜひある程度良いスピーカーから音を出すか,ヘッドフォンで聞いてみてくださいませ。 ノートパソコンとかipadでは低音が再生しきれないと思います。

チェン・リアンがボディを叩くたびに後ろのポスターが揺れていますが,現場にいると,ものすごい低音の音圧を感じました。

ソン・イーファン宋依凡 と チェン・リアン 陳亮  鯨歌



どうでしょうか。

私は彼らの音楽にコピーではないサウンドを感じました。

チェン・リアンにそのことを直接聞いてみました。すると彼は・・

「自分たちも最初は押尾サウンドをコピーして機材もまねてみたけど,2012年から自分たちのスタイルを作ってきたんだ。今は機材も演奏も自分たちの方法でやっているんだ。」

カンドウしました。心にどんどんどんって来ました。

まさにそんな感じでした。

日本とは違ってアジアの他の国には偽物ブランドが存在します。 ブランドを信じて買うという事が出来ないとすればどうすればいいのかです。

自分の感覚を磨いて,それが本物かどうかに鋭くなって行くしかないのだと思います。

日本では有名な誰かプロが使っているとか,有名ブランドという事でギターや機材を選ぶ事が多いかもしれません。

それは自分で聞いて選ぶというよりは見て選んでいるという感じですよね。

自分の耳でいい音を作り,オリジナルのフィンガースタイルを作ろうという中国人ギタリストがついに出始めたのです。

これは昨年には感じなかった大きな違いですね。

一つの実験方法ですが,PRO1を搭載したギターをアンプに直接つないで音を出します。

次にPARADIを間にかませて音を出します。

どちらがいい音に聞こえますか?

ライブではフィードバック防止のノッチフィルターが必要になりますが,それ以外の点ではもしかして直結の方が音がいいのでしょうか。

ぜひご自身でお確かめくださいませ。

自分の耳で感じたことを大切にして行きたいですね。

やはり世界のトップブランドテイラーはすごい人気ですね。

少しずつですが,中国ユーザーも世界的なブランドに接する機会が多くなりましたね。

世界のヤマハの楽器全体の売り上げがマーチンギターの10倍はあると言われています。

やはりブースも大きいです。

スカイソニックは歩き始めたばかりですが,いいものを作りたいという情熱であふれていますね。

そして,友達が来たら,それが友達の友達でもまずは一緒にご飯をおなかいっぱい食べましょうという中国の良い伝統を保っています。

文化と言葉を超えて音楽やいい音で思いがひとつに重なる瞬間は非常に貴重な体験ですね。

ぜひ皆様にもおすすめしますよ。

上海のミュージックチャイナツアー。


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