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LRBaggs M80 のテストレポート

更新日:2019年3月18日


LR Baggs M80 という振動を拾えるマグネチックピックアップをテストいたしました。

叩き系には向きませんが,最も手軽にエレアコ化することは可能だと思います。どういうボディだと合うのかなども解説してみました。



予算がなくても何とか簡単にエレアコにしたい。 そういう場合に実用的なマグかも。 LR Baggs M80 のレポート



以前からM80の実力を知りたいという質問をいただいておりました。ようやくテストする機会がありました。 マイクとは別の方法でギターの振動を拾うことが出来て,マグ臭さをある程度消せるという商品だと思います。


( ̄- ̄ )フンフン





以前のM1とちょっと見た目が変わりましたね。 デザイン的には良くなったのか悪くなったのかちょっと判断が難しいですね。

(ToT)>゛スミマセン 辛口で。






裏のボタン電池でアクティブになります。やはりマグネチックはアクティブがいいですね。


ちょっとだけ本当のことを言ってしまいましょう。 特にピックアップ初心者が勘違いすることの一つなんですが。

押尾コータローがサンライズを使っているので 「サンライズを使うとあの音が出るのではないか・・・」という期待をする人がいます。

それだけならまだしも,本当に買ってしまって,サンライズだけをつないでギターをバンバン叩いてみて・・・

( ̄~ ̄;)??   叩く音が出ない?

とそれからネット検索をして,私のWEBに来たという方も一人二人ではないのです。

(ノ_<。)うっうっうっ



押尾さんをはじめM-ファクトリーのシステムを使っている人は,XLR端子(いわゆるキャノンプラグ)でギター内部に電源を送っています。 つまり,マグネチックもアクティブになっているのです。


ギターの内部にプリアンプを持っていて,サンライズをパッシブではなく電圧を上げたアクティブの状態で使っているのです。

なので,マグネチックにノイズが乗らないのです。

パッシブだと電池切れの心配はありませんが,ノイズが乗りやすくなります。照明の光が強かったり,ファンヒーターのような回転するものが近くにあると原理的にマグネチックピックアップは影響を受けます。


サンライズもパッシブで使用するとその影響が音に出ることもあります。 また,ノイズとシグナルの比率のS/N比がアクティブの方がずっと有利なので,まるで無音状態から音が出てくるような印象を受けます。

ギター内部にプリアンプを設置するのは結構大変ですが,わずらわしさなしでアクティブにする方法がありますよ。

それは・・・

(・_☆) キラーン


最初からアクティブのマグを選べばいいのです。 簡単に言えば,電池が入ったマグを買えばOKということですね。

ニコアースはマグがアクティブのレアアースを使っています。 コンタクトがパッシブという方法ですが,このコンタクトの出力がアクティブに近いくらいありますので,ステレオケーブルでMIXPROにつないでここでアクティブになっても全く問題がないのです。モウマンタイ。




しかし,このM80はパッシブで使うこともできるらしいです。 私的にはあまりメリットはないのですが,システムがすべてパッシブ仕様で作られている場合はこのスイッチがあった方がいい場合もあるかもしれませんね。

例えばタカミネのエレアコにマグを足すという場合はすでにギターにプリアンプがありますので,パッシブでつなぐことになると思います。

そして,M1のようにパッシブとアクティブと2種類販売しなくてもいいのは大きなメリットですね。




面白いのは2弦だけにボールピースがありません。そのことも解説されています。 なくても十分に音量が稼げるようになっているようです。でも万が一必要な場合に備えて添付されております。

プレーン弦の音はどうしても音量が大きくなる傾向がありますよね。




実際に使ってみるとなくてもOKです。

音量のバラつきはありませんよ。


国産のオール単板に取り付けてみました。


ボールピースはそれぞれの弦の音量が,生音と比べて同じ感じになるように,高さを調整します。 高くすると音量が上がります。

1,2弦のプレーン弦は強く拾うので,普通は下げてあります。


ある人は,ギターの音量のバランスがわずかに悪くてもボールピースで少し調整できるという人もいますが,私はギターの生の音のバランスを整えてそれからピックアップを同じような出力になるように整えるのがいいと思います。



アンプから直接の音を聞いてみましょう。






どうでしょうか。

( ̄- ̄ )フンフン

悪くない。


マグのみである程度いい感じの音を作るには実はいくつか条件があります。


1 ギターの調整が正しくされていて,ネック起きなどない。

  この要素は大きいですね。


2 ボディが深く大きめ。 ドレッドとかSJ,オーディトリアムくらいのサイズがあればいいと思います。

  これも大きいです。薄いOMとかのボディだとセミアコのような鳴り方になってしまう可能性があります。    なので深いボディの方が箱鳴りがマグの音にも乗ってきて,エレキ臭さを消せるようになります。

  OMとか薄いボディでアコギサウンドを出すにはやはりニコアースですね。


このピックアップは最も手軽に生アコギをエレアコ化できるという考え方がいいと思います。


でも,バンドで使うとか,ギターの音をそれほど重視しない場面ならいけるかもしれませんね。 ギターの加工がほとんどなしで,ギターがエレアコになることを考えれば価値があります。

でも普段ニコアースブレンドの音に慣れていると,ちょっとトップの鳴りの要素が足りない感じがします。


やはり,ギターの音の中で最も大切な要素はトップの鳴りですね。

マグの音に箱鳴りを少し足しても,トップの音を鋭く拾うニコアースのシステムにはなかなか勝てないと思いますよ。

(o⌒.⌒o) ウムウム


予算に限りがあるけどエレアコにしたい人はM80で深くリバーブをかけてしまうというのも方法かもしれませんね。

叩き系の人がこれを選択すると,トップ振動をそれほど鋭く拾うわけではないので,叩きすぎてトップが割れるかもしれませんね。

「(≧ロ≦) アイヤー


でも,やはりお勧めはニコアースブレンドですね。

O(≧∇≦)O イエイ!!


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